¥十億少女

¥十億少女（ビリオンガール）

酒井美羽による日本の漫画作品。

概要

『¥十億少女』は、1999年から2004年まで連載された少女漫画作品です。当初は白泉社の『メロディ』で連載されていましたが、後に角川書店の『月刊Asuka』に移籍しました。長らく「第一部完結」の状態でしたが、2014年に講談社から文庫版が刊行され、描き下ろしの最終章が収録されて完結しました。

あらすじ

物語は、明治時代から続く老舗和菓子店「おゝば」の娘である大葉鹿の子が、店の借金と引き換えに、名家の当主であり官能小説家の北条大我と結婚することから始まります。鹿の子は突然の結婚に戸惑いながらも、北条家での生活を送る中で、様々な困難に立ち向かい、大我との関係を深めていきます。

登場人物

大葉鹿の子（おおば かのこ）
本作の主人公。「おゝば」の末娘で、高校2年生。おとなしい性格だが、芯の強い一面も持つ。和菓子に関しては非常に舌が肥えている。借金返済のため、大我と結婚する。

北条大我（ほうじょう たいが）
北条家十七代目当主であり、官能小説家。冷静沈着で、どこかミステリアスな雰囲気を持つ。鹿の子との結婚を通して、過去のトラウマと向き合っていく。

雨宮鳩彦（あまみや やすひこ）
鹿の子のクラスメイト。美少年で、オネエ言葉を使う。鹿の子を大切に思っており、彼女の相談に乗ることが多い。「LUCCI」のモデル。

忍成数馬 (おしなり かずま)
鹿の子のクラスメイト。格好いい顔立ちで、女子人気もある。鹿の子に告白するも、断られる。

壬生竜也（みぶ たつや）
鹿の子と同じ学校に通う一年生。和菓子職人を目指しており、鹿の子に試食を頼みに来た。鹿の子に惚れており、彼女の家への婿入りを狙っている。

帯刀（おびなた）
北条家の執事。大我を献身的に支える。厳格な性格だが、鹿の子のことは当初は軽んじていたものの、彼女の優しさや大我への愛に触れる内に仲良くなる。

伊集院礼生（いじゅういん れお）
大我の腹違いの兄。大我を憎んでおり、復讐を企む。ファロー四徴症という心臓の先天性疾患が有り。

伊集院莢子（いじゅういん きょうこ）
礼生の母で、大我は双子の妹の薔子と、夫である彪斗の間の子供。高校一年生の時に伊集院家に移ってきた大我と関係を結んだ。

伊集院彪斗（いじゅういん たけと）
大我、礼生、鵇子の実の父親。一代で成り上がった人物で野心家。

伊集院鵇子（いじゅういん ときこ）
礼生の妹で、大我の異母妹。父は彪斗、母は莢子。幼い頃に庭の池で溺れて死んでしまった。

丹後夜理人（たんご よりと）
大我の学生時代からの友人で小説家のゲイ。鳩彦とも縁が深い。

白神玖貴（しろがみ たまき）
鹿の子と同じ高校に通う三年生。タロットカードでの占いがよく当たると有名。

西寺詩織（にしでら しおり）
大我の熱狂的なファン。小学生の頃に彼のデビュー作『泥濘の家』を読んで以来、長くファンでいる。

特徴

本作は、少女漫画でありながら、複雑な人間関係や愛憎劇が描かれている点が特徴です。また、和菓子や官能小説といった要素が、物語に独特の彩りを添えています。鹿の子と大我の関係だけでなく、周囲の人物たちの思惑が絡み合い、予測不能な展開が繰り広げられます。

書誌情報

単行本
角川書店〈あすかコミックス〉より全10巻
文庫版
講談社〈講談社漫画文庫〉より全5巻

外部リンク

マンガドア『￥十億少女』 無料公式漫画サイト
講談社コミックプラス『¥十億ガール』（酒井美羽）
¥十億少女（漫画）- Anime News Network中の百科事典

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