―女神―

『―女神―』（メガミ）は、早稲田ちえによる日本の漫画作品です。1995年に講談社の漫画雑誌『なかよし』4月号と5月号に前後編として掲載されました。単行本は講談社コミックスなかよしから全1巻が刊行されたほか、2004年には講談社漫画文庫『―女神―早稲田ちえCOLLECTION』にも収録されています。

あらすじ

物語は、容姿に恵まれ、モテることに慣れてしまった中学2年生の加賀玲司を中心に展開されます。彼は異性からの人気を当然のように受け止め、真剣に人を好きになった経験がありません。そんな玲司は、親友の高塚基一を尊敬しており、女性への軽率な対応をたしなめられることもしばしばです。

ある日、玲司は基一がクラスメイトの浜田志奈子に恋心を抱いていることを知ります。志奈子は男女問わず人気者ですが、基一はただ見ているだけで十分だと諦めている様子。一方、玲司は基一のクラスの女子生徒、藤森アキラと出会い、彼女から強引なアプローチを受けます。アキラに振り回されるうちに、玲司は他の女性には感じたことのない特別な感情を抱き始め、「『好き』ってなんだ？」と悩み始めます。

そんな中、志奈子が親の転勤でロンドンへ行くことになり、玲司は基一に告白するよう後押ししますが…。

登場人物

加賀玲司（かが れいじ）
物語の主人公。中学2年生で、3組に在籍。バスケットボール部に所属しています。恵まれた容姿から女子生徒からの人気は絶えませんが、女性への扱いはぞんざいになりがちです。親友の基一を尊敬しています。

高塚基一（たかつか きいち）
中学2年生で、6組に在籍。大人しい性格で目立ちませんが、玲司は彼の優しさに触れ、尊敬するようになります。浜田志奈子に恋心を抱いています。

浜田志奈子（はまだ しなこ）
中学2年生で、4組に在籍。女子バスケットボール部に所属。明るく可愛らしい性格で、男女問わず人気があります。親の転勤でロンドンへ行くことになります。

藤森アキラ（ふじもり あきら）
中学2年生で、6組に在籍。ライブハウスで玲司と出会い、以前から抱いていた恋心をぶつけます。強引に玲司と付き合おうとしますが、玲司の心の中にある基一の存在に悩むことになります。

吉井由貴（よしい ゆき）
中学2年生で、3組に在籍。玲司の友人の一人。ギターの才能を買われ、年上のバンドに誘われます。外伝的作品「家庭教師」にも登場します。

書誌情報

早稲田ちえ 『―女神―』 講談社〈講談社コミックスなかよし〉、1995年9月6日第1刷発行、ISBN 4-06-178815-9
表題作の他、「情熱の嵐」「ヤングOH! OH!」が収録されています。

『―女神―』は、恋愛だけでなく、友情や自己成長といったテーマも織り交ぜながら、多感な時期の少年少女たちの心の機微を丁寧に描いた作品です。早稲田ちえの繊細なタッチで描かれるキャラクターたちの感情表現は、読者の共感を呼び、今なお多くのファンを魅了し続けています。

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