①Be Possible!

『Be Possible!』：THE ポッシボーが刻んだ始まりの音

2007年3月14日にリリースされた『Be Possible!』（読み：ビー・ポッシブル）は、女性アイドルグループ、THE ポッシボーにとって記念すべき初のスタジオアルバムです。この作品はGOOD FACTORY RECORDSより発売され、結成初期の彼女たちの音楽性とグループの可能性を世に示す重要な一枚となりました。

アルバムの特色とサウンドプロダクション

本作は、ハロー!プロジェクトのプロデューサーとしても知られるつんく♂が多くの楽曲の作詞・作曲を手がけており、彼の創造するアイドルサウンドが色濃く反映されています。キャッチーなメロディラインや、等身大の感情を描いた歌詞は、当時のTHE ポッシボーのフレッシュなイメージと重なります。編曲には、高橋諭一氏や鈴木Daichi秀行氏といった実力派アレンジャーが参加し、楽曲それぞれの魅力を引き出す多様なサウンドアプローチが試みられています。

世代を超えたカバー楽曲の収録

『Be Possible!』には、オリジナル楽曲に加えて、日本の音楽史において重要な位置を占める名曲のカバーが収録されていることも特筆すべき点です。アルバムの中盤に配された「危い土曜日」は、1970年代に一世を風靡した伝説的なアイドルグループ、キャンディーズが1974年に発表したヒット曲のカバーです。安井かずみ作詞、森田公一作曲によるこの楽曲を、THE ポッシボーが現代に蘇らせています。また、もう一曲のカバーとして収録されている「恋するニワトリ」は、個性的な世界観で知られるシンガーソングライター、谷山浩子が1983年に発表した楽曲です。谷山浩子自身が作詞・作曲を手がけたこの独特な世界観を持つ楽曲に、THE ポッシボーが新たな息吹を吹き込んでいます。これらのカバー曲は、グループの音楽的な幅を示すだけでなく、先輩アーティストへのリスペクトを示すものとも言えるでしょう。

収録楽曲リスト

本作に収められた全6曲は以下の通りです。各楽曲は、つんく♂によるオリジナル楽曲と、前述のカバー楽曲で構成されています。

ヤングDAYS!!
作詞・作曲：つんく♂
編曲：高橋諭一
初恋のカケラ
作詞・作曲：つんく♂
編曲：高橋諭一
主食=GOHANの唄
作詞・作曲：つんく♂
編曲：高橋諭一
乙女ナゾナゾ
作詞・作曲：つんく♂
編曲：高橋諭一
危い土曜日
作詞：安井かずみ
作曲：森田公一
編曲：高橋諭一
恋するニワトリ
作詞・作曲：谷山浩子
* 編曲：鈴木Daichi秀行

作品の意義

『Be Possible!』は、THE ポッシボーがグループとしてのアイデンティティを確立していく初期段階における重要なマイルストーンと言えます。つんく♂によるプロデュースの下、アイドルとして求められるポップさと、グループ独自のカラーを模索する姿勢がうかがえる作品です。オリジナルのフレッシュな楽曲群と、往年の名曲に挑戦したカバーを通じて、彼女たちの持つ多様な表現力と可能性が示されたアルバムであり、その後の活動へと繋がる礎を築いた一枚と言えるでしょう。ファンにとっては、グループの瑞々しい始まりを追体験できる貴重な作品です。

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