③計画

第三次海軍軍備補充計画（マル3計画）

大日本帝国海軍における第三次海軍軍備補充計画、通称マル3計画は、昭和12年度から16年度までの期間において展開されました。これは、軍縮条約からの脱退後初めての本格的な建艦計画となるもので、海軍の国防能力を強化するための重要な構想でした。計画は最大8億6421万8千円の予算を確保し、艦艇66隻と航空隊14隊の整備を目指しました。

計画の概要

これらの艦艇建造は、昭和12年度から同17年度までの6年間を見込んで立てられましたが、後に計画は修正され、昭和16年度には5年間での完了を目指すこととなりました。計画の中で特に注目されるのが、艦艇の種類の多様性です。

• - 戦艦: 大和型戦艦として、2隻（大和、武蔵）が建造されました。
• - 航空母艦: 翔鶴型の航空母艦2隻（翔鶴、瑞鶴）が含まれています。
• - 潜水艦: 伊九型や伊十五型など、計14隻の潜水艦も開発されました。
• - 駆逐艦: 陽炎型を中心に、18隻の駆逐艦の建造を計画しました。

他にも、掃海艇や練習艦なども含まれ、多岐にわたる艦艇の整備が望まれました。

計画の背景

マル3計画は、帝国海軍が自主的に国防を強化する意向を受けて策定されました。特に、無条約時代に突入した日本にとって、戦力を整備するための基盤を築くことが急務でした。新たに必要とされる兵力の水準が見直され、前期計画（4ヵ年）と後期計画（6ヵ年）に分けられ、整備が進められました。

また、この計画が発表される背景として、当時の国際情勢が厳しく、海軍の戦力強化が国防にとって必須であったことが挙げられます。

計画の実施

実際にマル3計画は、当初の目標を達成することができました。具体的には、予算内で艦艇の建造を進め、計画に盛り込まれた数にほぼ合致する形で完成へと至りました。特に、戦艦の中でも最も重要な大和型の建造は、後の戦争における海軍の象徴ともなり得ました。

併せて、昭和13年度にはさらに練習艦や給糧艦の建造が計画され、その中でも特に香取型の練習艦2隻が新たに加わりました。これにより、帝国海軍の教育や支援機能を強化する意図も確認できます。

結論

マル3計画は、戦時編制案にも大きな影響を与えるなど、日本海軍の後に続く艦艇整備の基盤を築く重要な一歩となりました。艦隊の戦力を強化し、国防意識を高める意味でも、当時の軍事戦略の中で重要な位置を占める計画として評価されています。さらに、計画が示すように、艦艇の建造は単なる数の充実にとどまらず、技術革新や兵力の質向上にも寄与し続けました。

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