〆

〆（しめ）の謎に迫る：和製漢字の多様な意味と歴史

一見シンプルな記号「〆」ですが、その歴史と用途は多岐に渡り、意外なほど奥深いものです。和製漢字である「〆」は、主に手紙などの封緘を意味する記号として用いられます。しっかり封をしたことを強調する際に用いるほか、「締め」「絞め」「占め」といった意味合いで使われることもあります。

由来と読み方の謎

「〆」の由来については、複数の説が存在します。有力な説としては、占いや予言を意味する漢字「卜（ぼく）」を簡略化したものであるという説が挙げられます。しかし、別の説では「封」をさらに簡略化した文字とする見解もあります。いずれの説も確証はなく、その起源は依然として謎に包まれています。

「しめ」という読み方についても、明確な由来は分かっていません。漢字の字形や意味から自然発生的に生まれた読み方である可能性が高いですが、その経緯は定かではありません。

多様な用例：日常生活から専門用語まで

「〆」は、様々な場面で使用されています。日常会話では「〆切（締切）」のように、期限を表す言葉として広く用いられています。「活け〆」「昆布〆」「羽交い〆」など、料理や状況を表す言葉にも使われ、その多様な意味合いがわかります。

さらに、尺貫法における木材の体積単位「尺〆」や、人名、地名などにも用いられています。例えば、「〆谷浩斗」といった人名や、「〆切橋」「〆切交差点」といった地名、さらにはゲームタイトル『〆ドレー2000』など、多様な分野で「〆」を見ることができます。

Unicodeにおける複雑さ

「〆」は、Unicodeにおいては2つのコードポイントに収録されています。これは、JIS X 0208では「記号」として、JIS X 0212では「漢字」として収録されていたためです。Unicodeはこれらの互換性を保つ必要から、両方を収録しているのです。通常、Unicodeではこのような重複を避けるため、一方を互換文字として非推奨とするのが一般的ですが、「〆」に関しては両方とも使用可能とされています。ただし、この扱いは資料によって異なっており、必ずしも一貫性があるわけではありません。

結論：記号を超えた存在感

「〆」は、一見シンプルな記号ですが、その歴史、由来、そして多様な用例は、その奥深さを物語っています。手紙の封緘から人名、地名、そしてゲームタイトルまで、様々な場面で使用され、日本の文化に深く根付いていることが分かります。Unicodeにおける複雑な扱いも、その歴史と存在感を示す一例と言えるでしょう。これからも、この小さな記号が、様々な形で私たちの生活の中に存在し続けることでしょう。

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