【その日】から読む本

『【その日】から読む本』とは

『【その日】から読む本』は、宝くじで1000万円以上の高額当せんを果たした幸運な人々に、みずほ銀行から手渡される特別な小冊子です。この冊子は、一般には販売されておらず、銀行員でさえも容易に閲覧できない非売品であり、その存在はあまり知られていません。

概要

この冊子は、高額当せん者が当せん金を換金する際に、銀行の担当者から直接手渡されます。希望者への配布や閲覧は一切行われておらず、その希少性が際立っています。ただし、一部が宝くじドリーム館で紹介されているほか、国立国会図書館には2019年11月から収蔵されており、閲覧や複写を申し込むことが可能です。この冊子は、宝くじの発行元である全国の都道府県と指定都市が共同で作成しており、出版社からも「夢のあとに見る現実」を描いた興味深い内容として出版の打診があったほどです。高額当せん者向けのガイドブックは、アメリカやカナダなどでも以前から発行されており、この冊子もその流れを汲むものです。
また、サッカーくじの高額当せん者に対しても、同様の小冊子が信用金庫で配布されています。

掲載内容

冊子の内容は、高額当せん後の具体的な行動指針から、当せん金の使い道、税金対策、資産運用、さらには遺言書の作成まで、幅広いテーマを網羅しています。まず、当せん金の受け取りから始まり、冷静さを保つこと、周囲への告知、仕事に関するアドバイスなど、基本的な心構えが示されます。次に、贈与税などの税金問題や、資産運用、遺言書の作成など、より専門的な内容へと進みます。また、当せん者には「当せん証明書」が発行されることも解説されています。当せん直後の高揚感の中で、どのように冷静さを保ち、その幸運を最大限に活かすかを詳しく解説しており、当せん者の心強い味方となるでしょう。

沿革

宝くじの当せん金額が億単位へと高額化し、高額当せん者が増加するにつれて、当せん金を浪費してしまったり、詐欺や財産トラブルに巻き込まれて不幸になる当せん者も増えてきました。こうした状況を鑑み、高額当せん者特有の悩みに対応するため、心の持ち方や当せん金の使い道などを解説するハンドブックの必要性が高まりました。その結果、全国の都道府県と指定都市は、弁護士、臨床心理士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家の意見を参考に、2001年（平成13年）からこの冊子の配布を開始しました。

構成

この冊子は、主に三つのパートで構成されています。

第一部：今すぐやっておきたいこと、やってはいけないこと
当せん金の安全な保管方法（銀行口座への預け入れなど）
当せん証明書の発行手続き
冷静さを保ち、軽はずみな言動を避ける重要性
グループ購入の場合は、メンバー間の取り決め
第二部：落ち着いてから考えること
当せん者特有の悩みや噂の広まりに対する心構え
当せんを知らせる人物のリストアップとその優先順位
当せん金の使い道や分与に関する注意点
贈与税に関する知識
当せんがもたらす変化に対する心構え
第三部：当面の使いみちが決まったら考えること
残った資金の有効活用（住宅、教育、老後資金など）
リスクとリターンを考慮した資産運用
遺言書の作成の重要性
専門家のアドバイスを受けることの推奨

この冊子は、高額当せんという非日常的な出来事に直面した人々が、冷静さを保ち、将来を見据えた賢明な判断を下せるよう、あらゆる角度からサポートする、まさに「当せん者のための羅針盤」と言えるでしょう。

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