〜元気の出るごはん〜タチ喰い!

『〜元気の出るごはん〜タチ喰い!』は、2019年 3月19日から同年3月26日にかけて、テレビ東京系列の『ソコアゲ★ナイト』枠（毎週火曜00:12 - 01:00、月曜深夜）にて放送された国内制作のテレビドラマシリーズです。テレビ東京とオフィスクレッシェンドが共同で企画・制作を手がけました。

作品概要

本作の最大の特徴は、AV監督として知られるカンパニー松尾氏が地上波テレビドラマで初めて演出を担当した点にあります。物語は主人公・ハジメの一人称視点、すなわち彼の「主観映像」で展開されるという実験的な手法が採用され、全4話で完結するオムニバス形式で構成されています。

脚本も松尾氏が執筆していますが、彼の得意とする演出スタイルを取り入れ、基本的な設定を踏まえつつも、出演者のアドリブを積極的に採用。中には最初からアドリブ前提のシーンも設けられるなど、非常に自由でリアリティのある雰囲気が追求されました。このAV監督の起用や独特な一人称視点といった挑戦的な試みについて、出演者の一人である森咲智美氏は「テレビ東京がかなりのチャレンジをした」と語っており、テレビ東京側もインタビューで「謝罪の準備もしている」とコメントするなど、制作サイドの意気込みと同時に、その攻めた内容が話題となりました。また、AV制作現場では監督が編集や衣装にも深く関わることがありますが、本作においても松尾氏はこれらの工程に積極的に携わっています。

あらすじ

物語の主人公は、29歳のプログラマーであるハットリハジメ。彼は多忙な料理研究家である母親のもとで育ち、自宅には一通りの調理器具は揃っているものの、温かみのある手料理に触れることなく成長しました。そのため、手作りの家庭料理に強い憧れを抱いています。ある時、手料理を作ってくれる相手と出会えるというマッチングアプリ「コレゴハ」に誤って登録してしまいますが、これが理想のアプリだと気づいたハジメは、アプリを利用して自宅に様々な美女を招き、彼が「タチ喰い」と称する精力がつく料理を作ってもらうことにします。

登場人物

主人公

ハットリハジメ
演：カンパニー松尾（手と声のみ）、心の声：ジョーブログ・ジョー（JOE VLOG名義）
29歳のプログラマー。彼女はおらず、料理研究家の母のもとで手料理に飢えて育ちました。女性の手料理、特に外食ではなかなか出会えない「普通のカレーライス」に強い憧れを持っています。セクシー女優の三上悠亜のファンで、部屋にはポスターが貼られています。酒には非常に弱く、誘われても断るタイプです。

各話ヒロイン

智美
演：森咲智美
第1話のヒロイン。アボカドinハンバーグを作りに来る、魅力的な女性です。実はバツイチという過去を持っています。
マツリ
演：桐谷まつり
第2話のヒロイン。ハジメがカレーライス好きであることを知り、牡蠣カレーでもてなします。おさげ髪にメガネ姿ですが、家に着くなり服を脱ぎ始めるという個性的な女性です。
梨菜
演：橋本梨菜
第3話のヒロイン。スタミナ手巻き寿司や菜の花のタラコマヨ和えなどを作る、「中野の黒ギャル」として登場します。
三上悠亜
演：三上悠亜
第4話のヒロイン。ハジメが憧れるセクシーアイドル本人です。「コレゴハ」に密かに登録していました。ハジメのために最強スンドゥブチゲを作り、アイドル時代の思い出やセクシーアイドルになった経緯などを語ります。

周辺人物

スーパーの店員
演：スーパー・ササダンゴ・マシン
ハジメが利用する近所のスーパー、スーパー丸正・中野店の店員。なぜか覆面レスラーの姿で、試合コスチュームの上にエプロンを着用しています。番組が料理番組であることを強調し、料理シーンではレシピや手順を解説する役割を担います。
ハジメの上司・みやび
演：松野井雅
街中などで不思議なシチュエーションでハジメと出会う彼の上司。才色兼備で、職場の男性社員から人気を集めています。
ハジメの隣人
演：爪切男
エレベーター内などでハジメと遭遇する、どこか怪しげな隣人です。実は上司のみやびの兄にあたります。

音楽

オープニングテーマ：「1000％」（tomodati）
エンディングテーマ：「パルチザン」（肉食パルチザン）
* 挿入歌：「Faust（YODATARO into Dusk Remix）」（Have a Nice Day！）、「おやすみめぐみちゃん」（GALAXIEDEAD）、「かじりかけのパプリカ」（うーちゃん（どついたるねん））

スタッフ

脚本と監督はカンパニー松尾氏が兼任。構成も松尾氏が辻井宏仁氏と共に担当し、撮影、衣装、編集といった多くの制作工程にも深く関わっています。その他、フードコーディネーター、料理アシスタント、助監督、制作スタッフ、プロデューサーなど、多岐にわたるスタッフが本作品を支えました。

カンパニー松尾氏の個性的な演出と、手料理を通じた男性のファンタジーを描くというユニークな切り口が融合した、実験的かつ意欲的なドラマシリーズとして位置づけられます。

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