あいつがトラブル

テレビドラマ『あいつがトラブル』の魅力

『あいつがトラブル』は、1989年12月から1990年3月までフジテレビ系列で放送されていたテレビドラマです。この作品は全15話で、毎週土曜の夜8時から放送され、特に若年層に人気がありました。本作は横浜の港街署に新設された失踪人課を舞台に、刑事たちの痛快なトラブルをコミカルに描いています。

ストーリーの概要

ドラマの中心は、神奈川県警港街署に設置された失踪人課です。この課は、失踪者の捜索を専門としていますが、その実態は刑事課の業績を上げるためのスケープゴート的な役割も果たしています。所属する刑事たちは、強盗や誘拐、爆弾による脅迫など、さまざまなトラブルに直面しながら、時には強引で乱暴な手段を使って事件を解決しようとします。この過程で生じる数々の騒動を通じて、彼らの人間模様や人間関係も浮かび上がってきます。

キャラクターたちの魅力

主要キャストには沖田淳一（萩原健一）、美咲令子（南野陽子）、城野剛（織田裕二）、虎田猛（宍戸開）などがいます。沖田は課長として捜査を指揮しつつも、自己中心的かつ突飛な行動が目立ち、時に上司や部下との摩擦を起こすことも。彼の捜査スタイルは強引でありながらも、しばしば予想外の結果をもたらします。美咲は彼の良き相棒として登場し、トラブルを起こしながらもその元気さで周囲を盛り上げる役割を担っています。彼女の持つ特異なスキルや独特なキャラクターが、作品の面白さを引き立てています。

スタッフや制作背景

本作は、フジテレビが久々に手掛けた刑事アクションものであり、特に特効チームやスタッフは前年までテレビ朝日系で放送されていた『ベイシティ刑事』から多数参加しています。これにより、ガンアクションのリアルな演出が実現しました。また、前番組『オレたちひょうきん族』の終了を受け、新たな若年層向けプログラムとして制作されたことも特徴の一つです。

文化的な影響

『あいつがトラブル』は、当時の視聴者にとって新鮮で、刑事ドラマにおける新たなスタイルを示した作品です。キャラクターたちの軽妙なやり取りや、トラブルの連続は、視聴者に笑いと緊張感を同時に提供しました。特に、沖田のキャラクターは多くの視聴者から愛され、後の刑事ドラマにおけるキャラクター造形や物語運びにも影響を与えたと言えるでしょう。

主題歌や音楽

音楽面でも、本作は注目を集めました。オープニングテーマに使用されたピカソの「SHOUT」、エンディングテーマには久保田利伸の「MOVING TARGET」といった楽曲が流れ、ドラマの雰囲気を一層盛り上げています。

『あいつがトラブル』は、刑事ドラマの新たな側面を提示する一方で、コミカルな要素を取り入れることで、視聴者に愛され続ける作品となりました。登場人物たちの奮闘や危険な状況をコミカルに描くことで、多くのファンを魅了しました。

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