あおば生命保険

あおば生命保険株式会社：日産生命から生まれた生命保険会社

あおば生命保険株式会社は、かつて存在した日本の生命保険会社です。1997年4月に経営破綻した日産[[生命保険]]相互会社の保険契約を引き継ぐために設立されました。

設立の経緯

1997年6月26日、生命保険協会によって資本金10億円で設立されました。これは、日産生命の保険契約を維持・管理することを目的としたものでした。生命保険協会が保有していた全株式は、1999年11月30日にフランスの投資グループであるアルテミスの子会社、タワー･エス･エイに250億円で売却されました。

その後、2004年11月1日には、プルデンシャル生命に約200億円で譲渡され、同社の完全子会社となりました。そして、翌2005年2月1日、プルデンシャル生命に吸収合併され、あおば生命保険としての歴史を終えました。

合併直前の2004年3月末時点での保有契約件数は約50万件、総資産は7,009億円でした。

二次破綻の懸念と回避

日産生命から保険契約を引き継ぐ際、保険契約者保護基金から2,000億円の資金援助を受けました。しかし、破綻の要因となった逆ざやを縮小するため、既存契約の予定利率を一律2.75%に引き下げるとともに、7年以内の解約に対しては解約返戻金を最大15%削減する解約控除規定が設けられました。

当時の金利環境から、将来的に約3,000億円の逆ざやが発生すると試算されていました。2,000億円の資金援助だけでは不十分であり、経費削減などで補填する必要があったため、二次破綻の懸念がありました。

しかし、契約移転直後から想定以上の解約が発生し、解約控除による利益が出たこと、そして徹底的なコスト削減が功を奏し、二次破綻を回避することができました。

あおば生命保険の破綻により、生命保険業界は2,000億円もの負担を強いられました。しかし、2年後に株式をアルテミスに250億円で売却したことで、実質的な負担額を減少させることができました。

社名の由来

社名は、受け皿となった日産生命の本社が東京都目黒区青葉台にあり、あおば生命保険も引き続き同じ場所を本社としたことに由来します。

年表

1997年4月25日：日産生命に対し業務停止命令が下され、経営破綻
1997年6月26日：生命保険協会の全額出資により設立
1997年7月7日：大蔵省より保険業免許取得
1997年10月1日：日産生命より契約移転を受ける
1999年11月30日：全株式がフランスの投資グループ、アルテミスに250億円で譲渡
2004年11月1日：プルデンシャル生命が約200億円で買収し、完全子会社化
* 2005年2月1日：プルデンシャル生命と合併し、消滅

あおば生命保険は短期間でその役割を終えましたが、日本の生命保険業界における構造改革の一つの象徴として、その名は記憶されています。

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