あさゆき (護衛艦)

あさゆき（JS Asayuki, DD-132）

あさゆきは、日本の海上自衛隊に所属する護衛艦であり、はつゆき型護衛艦の11番艦です。この艦の名は「朝方降る雪」に由来し、艦艇名としては旧海軍時代を通して初めての名称となりました。あさゆきは、その設計や装備においても革新性を持ち、多くの任務に従事してきました。

艦歴の概要

あさゆきは、昭和57年度の計画に基づいて1983年12月22日に住友重機械追浜造船所浦賀工場で起工されました。進水は1985年10月16日、そして1987年2月20日に就役しました。就役同日に第3護衛隊群に編入され、佐世保に配備されることとなります。

1990年には環太平洋合同演習（RIMPAC）に参加し、ハワイやサンディエゴ方面に派遣されました。さらに、1994年には護衛艦「はるな」や「しまゆき」と共に、幹部候補生課程の初任幹部約100名を乗せて遠洋航海を行いました。この航海ではジャカルタやシンガポール、沖縄に寄港し、8月2日に無事に呉基地に帰投しました。

その後もあさゆきは、様々な訓練や演習に参加し続けます。例えば、2006年には乗員の私物パソコンからの情報流出があったことが報告され、海上自衛隊のセキュリティが注目されるきっかけとなりました。また、2010年には中国海軍の艦隊監視中に異常接近され、外務省が抗議をする事態が発生しました。こうした出来事は、あさゆきの活動の一環として重要な位置を占めています。

2014年から2016年にかけては、護衛艦「しらね」、「うみぎり」と共に国際共同訓練に参加し、国際的な安全保障に寄与する役割も担っていました。特に、日豪共同訓練においては、日本とオーストラリアの連携強化にも一役買いました。

2020年6月、沖縄近海でロシア海軍艦艇を確認した際には、情報収集や警戒監視を行う重要な任務も果たしました。これにより、地域の安全保障状況に関する情報を提供するという役割を果たしました。

除籍とその後の取り扱い

あさゆきは、2020年11月16日に除籍され、最終所属は第13護衛隊であり、定係港は佐世保でした。その在籍期間は約33年9カ月に及び、航程は1,077,336浬、航海時間は75,284時間にも達しました。これは、海上自衛隊にとって長きにわたる貢献をしたことを示しています。

退役後のあさゆきの主錨は、佐世保市の商業施設「えきマチ1丁目佐世保」に展示されており、訪れる人々に艦の歴史や役割を伝える重要なモニュメントとなっています。

あさゆきは、海上自衛隊の歴史において、数々の任務を遂行した艦艇としてその名を残し続けています。

もう一度検索