あした (映画)

映画『あした』の紹介

映画『あした』は、1995年に公開された大林宣彦監督の日本映画で、赤川次郎の小説『午前0時の忘れもの』を原作にしています。本作品は尾道市を舞台にした「新尾道三部作」の2作目にあたります。前作の『ふたり』と同様に、人の死というテーマが深く掘り下げられています。また、映画のタイトルは赤川次郎自身が考案したもので、原作と異なっている点が特徴です。

あらすじ

物語は、小型客船「呼子丸」が嵐の中で尾道沖で遭難するところから始まります。乗客9名が行方不明となり、その悲報が伝えられたのは約3ヶ月前のことでした。残された人たちは、恋人や家族に向けて「今夜午前0時、呼子浜で待っている」という不可解なメッセージを受け取り、思い思いに呼子浜の待合所に集まってきます。

その中には、温泉旅行中の女子大生・原田法子（高橋かおり）もいます。彼女は友人の綿貫ルミ（朱門みず穂）とともに、最終便の船に間に合わなかった勘違いから、待合所で不思議な一夜を過ごします。そこでは、様々な人々の思いや葛藤が交錯し、心温まるエピソードが展開されます。

スタッフとキャスト

映画の脚本は桂千穂が担当し、監督は大林宣彦が務めました。撮影は坂本典隆、美術には竹中和雄が参加しています。また、音楽は學草太郎と岩代太郎が手がけ、主題歌は原田知世が歌っています。主なキャストには、高橋かおり、大木貢（林泰文）、錦貫ルミ（朱門みず穂）などが名を連ねています。

主題歌

映画の主題歌「アシタ」は、原田知世が作詞にも参加しており、彼女の素晴らしいボーカルが印象的です。カップリングには「平凡な日々」があり、こちらも原田自身が作詞作曲をしています。音楽は映画をより一層感動的に彩ります。

製作背景

原田知世は元々出演予定ではなかったものの、自ら大林監督にアプローチし、出演の夢を叶えました。また、映画の主要な舞台である呼子浜は実際には架空の場所で、特別に美術セットが設計されています。この待合所は現在もバスの待合室として利用されているとのことです。

さらに、実際に使用された船「呼子丸」は、航路で使われた後に廃船となったものを利用し、CGなしでリアルな映像が撮影されました。撮影後も一時的に係留されましたが、老朽化に伴い最終的には廃棄されました。

備考

映画には地域に密着したエキストラも参加しており、当時の人気番組のリポーターが映像に登場する場面もあります。また、大林監督のファンである立川志らくが本作を舞台化するなど、多くの人々に愛され続けている作品です。尾道という美しい舞台背景が、物語にさらなる深みを与えています。

出典とリンク

[映画]]に関する詳細情報は、[allcinemaやIMDbで確認できます。

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