あづましずく

あづましずく

あづましずくは、2004年に品種登録された福島県生まれのぶどうです。「あづま」とも表記されますが、吾妻山が語源の「あづま」が正しいとされています。

開発の背景

福島県では、戦後デラウェアやキャンベルといった品種が中心でしたが、市場では巨峰のような大粒ぶどうの需要が高まっていました。しかし、巨峰の主要産地は福島県より西に位置しており、熟期や収量性で不利な点がありました。また、ジベレリン処理の負担も課題でした。さらに、先行して栽培されていた高尾も寒さによる病害で栽培が難航し、福島県のぶどう栽培は停滞していました。これらの課題を克服するため、福島県果樹試験場（現：福島県農業総合センター果樹研究所）があづましずくを育成しました。

概要

ブラックオリンピアを母、四倍体化ヒムロット・シードレスを父とする交配から生まれました。父のヒムロット・シードレスから種無しを受け継いでいます。極早生品種であり、お盆の前から収穫できるため、他県産よりも早く市場に出回ることができ、収益性の向上が期待されています。

特徴

糖度は17〜19%と高く、酸味が少ないため、濃厚な甘さを楽しめます。多汁でジューシーな食感も魅力です。巨峰に比べて肉質が柔らかく、皮離れが良いので食べやすい品種です。

栽培の広がり

福島県果樹試験場が農家に試作を依頼した際、短梢栽培で露地栽培した農家で、粒の大きさも収穫量も大きく上回る結果となりました。この栽培方法が確立され、栽培農家が増えていきました。寒さに強い特性から、山形県や岩手県など、より北の地域でも栽培が開始され、秋田県でも育成が期待されています。

脚注

関連項目

ブドウ品種の一覧
ブドウ

外部リンク

* 大粒で極早生の種無しブドウ新品種「あづましずく」

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