あなたがえらぶチャレンジショー

『あなたがえらぶチャレンジショー』は、1970年 1月18日から同年9月27日までの期間、日本のテレビ局である日本テレビ系列で、毎週日曜日の午前11時から午前11時55分にかけて放送されていたバラエティ番組です。この番組は、日本テレビ自身が企画・制作を手がけ、その最大の特徴として、一般の視聴者が番組の出演者となり、自慢のパフォーマンスを披露して競い合うという「視聴者参加型」の形式を採用していました。放送期間は約9ヶ月間と比較的短いものでしたが、当時の日曜午前のテレビ時間帯において、視聴者参加という斬新な形でエンターテインメントを提供しました。

番組の核となる企画は、一般から広く公募された参加者たちが、「紅組」と「白組」という二つのチームに分かれて、それぞれの技を披露し対戦するというものでした。各チームは5名ずつ、合計10名の挑戦者で構成されました。参加者たちは、自身が得意とする様々なジャンルの芸、具体的には歌唱、落語、ダンスなど、多岐にわたるパフォーマンスを披露しました。これらの出し物の中でも、特に歌を披露する参加者が中心を占めていたと伝えられています。

勝敗を決める審査は、スタジオに集まった100名の来場者、すなわち観客によって行われました。この観客が直接審査員となり、各参加者のパフォーマンスを評価し、点数をつける方式でした。採点は300点満点で行われ、観客一人あたり最大3点の持ち点があったと考えられます。この来場者による採点結果が、そのまま各参加者の得点となり、チームの合計得点に反映されて勝敗が決まるという、シンプルながらも参加者と観客が一体となるような仕組みでした。

番組では、単にパフォーマンスの優劣を競うだけでなく、出場者に対する報酬体系もユニークな形で設計されていました。見事、対戦に勝利した優勝チームのメンバーには、個人の獲得した得点に応じて賞金が支払われました。具体的には、個人の得点に100倍した額が進呈されました。例えば、ある参加者が90点を獲得してチームが優勝した場合、その参加者には9,000円の賞金が贈られる計算になります。一方で、残念ながら敗れてしまったチームのメンバーにも、激励の意味も込めて賞金が用意されていました。こちらは、個人の獲得した得点に10倍した額が進呈されました。同じく90点を獲得してチームが敗れた場合でも、900円が手渡されたことになります。これは、勝敗だけでなく、挑戦したこと自体や、そのパフォーマンスの出来栄えを一定程度評価するという意図があったと考えられます。

さらに、この番組には特別なボーナスルールが存在しました。それは、出場者が自身のパフォーマンスに対して、事前にどれくらいの得点を獲得できるかを予想するというものです。そして、その自己予想が見事的中した場合に限り、追加で5万円というまとまった額が支給されるというものでした。これは、単に芸の技術だけでなく、自身の力量を客観的に判断する能力や、ある種の度胸も試される要素であり、参加者にとって大きなモチベーションとなったことは想像に難くありません。

番組を進行する上で欠かせない存在として、司会を市川昭介が担当しました。彼は番組全体の流れを円滑に進め、挑戦者たちを温かく見守り、時にはユーモアを交えながら番組を盛り上げました。また、紅組と白組それぞれのチームを率いるリーダーとして、紅組のキャプテンには山東昭子、白組のキャプテンには林家こん平がそれぞれ起用されました。彼らは自身のチームのメンバーを応援し、対戦の緊張感を和らげつつ、番組を盛り上げる重要な役割を担いました。

関連情報として、本番組と同じく視聴者参加型の紅白対抗形式を採用していた番組に『紅白なんでも合戦』があります。この番組は当時、本番組とは異なる時間帯、具体的には木曜日の19時30分から放送されていました。興味深いことに、『紅白なんでも合戦』においても、本番組で白組キャプテンを務めた林家こん平が、白組の応援団長として出演していました。これは、当時の日本テレビにおいて、視聴者参加型番組というフォーマットや、一部の出演者、特に林家こん平のようなタレントが、複数の同種の番組に起用されるケースがあったことを示唆しています。

『あなたがえらぶチャレンジショー』は、1970年 9月27日の放送をもって終了し、約9ヶ月間の放送期間に幕を閉じました。この番組は、一般視聴者が主役となり、歌をはじめとする様々な芸を披露して競い合うという形式を通じて、当時の視聴者に新鮮なエンターテインメントを提供しました。来場者による直接的な採点や、得点に応じた賞金、さらには自己採点的中によるボーナスといったユニークなシステムは、単なる勝ち負けを超えた、挑戦そのものを楽しむ要素を番組に加えていたと言えるでしょう。

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