あの日のオルガン

『あの日のオルガン 疎開保育園物語』

『あの日のオルガン 疎開保育園物語』（あのひのオルガン そかいほいくえんものがたり）は、著者久保つぎこによるノンフィクション作品です。この本は、1982年11月に『君たちは忘れない 疎開保育園物語』というタイトルで刊行され、その後、2018年7月に再刊されました。

内容について

本作は、太平洋戦争末期の日本に焦点を当てた実話に基づいています。特に、東京・品川にある戸越保育所と東京・墨田の愛育隣保館の保母たちが、空襲から逃れるために子どもたちと共に埼玉県南埼玉郡平野村（現在の蓮田市）にある無人寺の妙楽寺へ集団疎開する様子を描写しています。著者は関係者への取材を行い、彼女たちの生と愛、そして戦争の影響を詳細に綴っています。

この作品は、戦中の幼い園児と保母たちが、それぞれの思いを抱えながら一緒に過ごした時間を通じて、友情や絆がどのように形成されたかを示しています。疎開生活中、彼女たちが直面する困難や問題、そしてそれらを共に乗り越えようとする姿勢は、読者に深い感動を与えます。

映画化

『あの日のオルガン』は、平松恵美子監督により映画としても表現されました。2019年2月22日に公開され、文部科学省の特別選定作品となっています。この映画は、実話に基づいた感動的なストーリーを再現し、保母たちの愛情深い姿と子どもたちの無邪気さを描き出しています。戸田恵梨香や大原櫻子などの俳優がキャストに名を連ね、1000人を超えるオーディションから選ばれた女優たちが保育士役を務め、多様なキャラクターが登場します。

あらすじ

映画の中では、保母たちが子どもたちを安全な場所に逃がすために四苦八苦しながら、埼玉県にある寺を疎開先として確保するストーリーが展開されます。親たちの心配や反対意見が飛び交う中、懸命に子どもたちの未来を守ろうとする彼女たちの姿が美しく描かれています。空襲の影が近づく中でも、彼女たちは助け合いながら日常を支え合い、友情の大切さを再認識する姿勢を見せます。

本作は、戦争という時代背景の中での人間の強さや優しさ、そして子どもたちの成長を描いた感動的な物語として、多くの人々に影響を与え続けています。

書籍および映画の情報

• - 書籍

- 『君たちは忘れない 疎開保育園物語』
- 発刊年: 1982年11月
- 出版社: 草土文化
- ISBN: 978-4794505187
- 『あの日のオルガン 疎開保育園物語』
- 発刊年: 2018年7月20日
- 出版社: 朝日新聞出版
- ISBN: 978-4-02-251554-4

• - 映画

- タイトル: 『あの日のオルガン』
- 公開日: 2019年2月22日
- 監督: 平松恵美子
- 主題歌: アン・サリー「満月の夕（2018ver.）」

この作品は、戦争による困難を乗り越える人々の姿、そしてそこで育まれる絆の大切さを真摯に描いたノンフィクションの傑作です。

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