あばしり一家

あばしり一家

『あばしり一家』は、永井豪が手掛けた日本の漫画作品で、1969年から1973年まで『週刊少年チャンピオン』で連載されていました。この作品は、全員が犯罪者で構成された悪馬尻（あばしり）一家の日常を描いたギャグ・エロ・暴力要素満載のピカレスク・ギャグ・アクションです。

作品の概要

作品は非常にユニークなスタイルを持ち、悪馬尻一家が織り成すドタバタ劇は、映画のように練られたストーリーが特徴です。アクションシーンでは、血しぶきや爆発、さらには切断といった過激な描写が多数登場します。しかし、この作品はその過激さを笑い飛ばす豪快さを備えており、読者に独自の楽しみを提供します。

主人公が悪人であるため、道徳的な縛りが存在せず、自由なストーリー展開が可能になっています。この作品の作風は、非常に明るく陽気で、陰惨さが全く感じられない快作として、現在でも高い人気を誇っています。基本的にはギャグ[[漫画]]ですが、暴力シーンやエロティックな描写も多く含まれており、そのジャンル分けが難しい作品です。

シリーズ形式

この作品は、数回分を1つのテーマにまとめる形でストーリーが展開され、続き物と読み切りの中間の形式を採用しています。例えば、西部劇風やSF風、さらには怪談や悪人オリンピック編など、様々なテーマで構成されています。他の作品とのクロスオーバーも見られ、『デビルマン』のセルフパロディなども取り入れられています。

主な登場人物たち

悪馬尻 駄ェ門

駄ェ門は一家の長であり、背の低い悪者風のハゲ頭ですが、実は超能力を持つ剣の達人です。彼の持つテレキネシスやテレポートといった超能力によって、数々の悪事を働いていますが、その一方で子供たちには親バカな一面もあり、非情な一面と優しさを併せ持つキャラクターです。

悪馬尻 五ェ門

五ェ門は長男で大学生。おっとりとした性格ですが、スケベ心が強く「快傑痴仮ン面」に変装して失態を繰り返します。彼は家族との近親相姦のタブーを気にせず行動するため、非常に複雑なキャラクターとして描かれています。

悪馬尻 直次郎

次男で高校生の直次郎は、特異な巨体と怪力を持つキャラクターで、番長として恐れられています。恋愛には無関心ですが、女性や弱者に対しては優しい一面を持っています。

悪馬尻 菊の助

長女・菊の助は戸越しの美少女とは裏腹に強い腕前の持ち主。彼女は野郎言葉で話すことが多いが、次第に少女らしい一面が現れ、家族に愛される存在です。

悪馬尻 吉三

小学生の吉三は、爆弾の専門家で、威張り屋な性格をしています。未熟ながらも家族の中でみんなに可愛がられるキャラクターです。

アニメーションとメディア展開

作品はアニメ化もされ、1992年にはビデオマガジン『レンタマン』内でのコンテンツとして登場しました。また、2009年には映画化され、外岡えりかが主演を務めました。『あばしり一家』は、そのユニークなキャラクターとストーリーテリングで、永井豪の作品の中でも特に高く評価されています。今後の展開や新しいメディアでの登場にも期待が寄せられています。

もう一度検索