あんハピ♪

『あんハピ♪』：不幸体質の女子高生たちが贈る、幸せへの軌跡

『あんハピ♪』(unhappy go lucky!)は、琴慈氏による人気漫画作品です。2013年から2019年にかけて『まんがタイムきららフォワード』で連載され、コミックス全10巻で完結しました。各話は「Lucky.」と番号で表記されるユニークな構成も特徴です。

ストーリー：幸せを掴むための、予測不能な高校生活

天之御船学園1年7組に所属する5人の女子高生、花小泉杏、雲雀丘瑠璃、久米川牡丹、萩生響、江古田蓮。彼女たちはそれぞれ「不運」「悲恋」「不健康」「方向音痴」「女難」といった、いわゆる「不幸」を背負っています。担任の小平先生の発案で、「幸福クラス」として高校生活を送ることになる彼女たちですが、待ち受けるのは数々の困難と、予想外の出来事の数々でした。

登場人物：個性豊かなキャラクターたちが織りなす物語

メインキャラクターの苗字は、多くが西武鉄道の駅名に由来しています。名前にも花の名前やそれを連想させる文字が用いられており、細部まで作り込まれた設定が魅力です。

花小泉杏: 本作の主人公。天真爛漫でポジティブな性格ですが、極度の不運体質で様々なトラブルを引き起こします。
雲雀丘瑠璃: 杏と並ぶもう一人の主人公。工事現場の看板への片思いという、少し変わった恋を抱えています。冷静なツッコミ役として物語を盛り上げます。
久米川牡丹: 虚弱体質でネガティブ思考な少女ですが、高い知能とセルフメディケーションのスキルを持っています。
萩生響: 極度の「方向音痴」で、負けず嫌いの性格。蓮への好意を隠しながらも、独特な行動でクラスを賑やかします。
* 江古田蓮: ボーイッシュな容姿で、「イケメン」と呼ばれることも。種を超えた「女難」体質の持ち主です。

その他にも、担任の小平先生、学園案内ロボットのチモシー、そして杏の母親など、個性的なキャラクターが多数登場し、物語を彩ります。小平先生は穏やかな笑顔の裏に、意外な過去を持つ人物として描かれています。チモシーは、時折頼りないながらも、杏たちを陰で支える存在です。

アニメ化：原作を尊重した丁寧な映像化

2016年にはTVアニメが放送されました。アニメ制作に当たっては、原作の設定を忠実に再現することに注力。原作者の琴慈氏も制作に深く関わっており、細部に至るまでこだわった作品となっています。監督の大沼心氏、シリーズ構成の田中仁氏、そしてサブライターの伊藤睦美氏らの努力により、原作の雰囲気を損なうことなく、アニメオリジナル要素も加えられた見事な映像化が実現しました。

特に、テンポ感を出すための工夫や、アイキャッチの演出、そしてキャスト陣によるアドリブ満載のアイキャッチボイスなど、アニメならではの演出も魅力的です。オープニングテーマ「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」、エンディングテーマ「明日でいいから」を始め、数々の挿入歌も作品の世界観を盛り上げています。

その他：ゲームへの登場など、作品の世界は広がり続ける

『あんハピ♪』は、漫画、アニメにとどまらず、ゲーム『きららファンタジア』にも登場しています。クロスオーバー作品として、他の『まんがタイムきらら』シリーズのキャラクターたちと共演する姿を見ることができます。

『あんハピ♪』は、個性豊かなキャラクターたちと、テンポの良い展開、そして「幸せとは何か」という普遍的なテーマが魅力の作品です。不幸体質の彼女たちが、どのように「幸せ」を掴んでいくのか。ぜひ、この作品の世界に触れてみてください。

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