あゝ高杉晋作

三橋美智也『あゝ高杉晋作』

「あゝ高杉晋作」は、日本の著名な演歌歌手である三橋美智也によって1986年にリリースされたシングル盤レコードです。この楽曲は、三橋美智也が展開していた「舞踊歌謡」シリーズの一つとして位置づけられており、歴史上の人物の生涯や事績を歌い上げる形式を取っています。

楽曲構成と内容

本シングルは、表面（A面）と裏面（B面）それぞれに異なる主題の楽曲が収録されています。A面にはシングルタイトルにもなっている「あゝ高杉晋作」が、B面には「名将伊達政宗」が収められており、幕末の志士である高杉晋作と、戦国時代から江戸時代にかけての武将である伊達政宗という、異なる時代を生きた二人の英傑がテーマとなっています。

両楽曲ともに、その最大の特徴として楽曲中に詩吟が挿入されている点が挙げられます。これは「舞踊歌謡」シリーズに共通する要素であり、歌謡曲と伝統的な詩吟を融合させることで、主題となる人物の気概や生涯の劇的な展開を表現しようとする意図が見られます。

A面：あゝ高杉晋作

A面曲「あゝ高杉晋作」は、幕末に活躍した長州藩士、高杉晋作の短いながらも激動の生涯を描いた楽曲です。歌詞には、彼の活動拠点やゆかりの地である「萩」や「長府」、そして決起で知られる「功山寺」といった具体的な地名が織り込まれており、聴き手に情景を想起させる構成となっています。

楽曲の制作クレジットは以下の通りです。

作詞：山添 花秋
作曲：吉田 矢健治
編曲：川上 英一

B面：名将伊達政宗

B面曲「名将伊達政宗」は、「奥州の独眼竜」として知られる伊達政宗の一生を歌い上げた楽曲です。歌詞には、伊達家の紋である「仙台笹」や、居城であった「青葉城影」（仙台城）、そして仙台市を流れる「広瀬の渕」（広瀬川）など、仙台藩や政宗にゆかりのある固有名詞が盛り込まれており、彼の統治した地域や築いた歴史を示唆しています。

楽曲の制作クレジットは以下の通りです。

作詞：たなか ゆきを
* 作曲・編曲：山田 年秋

関連情報

高杉晋作は、日本の大衆文化において頻繁に題材とされる人物であり、本楽曲以外にも様々な作品に登場しています。関連情報として、「高杉晋作が登場する大衆文化作品一覧」といった項目が参考になる場合があります。

このシングルは、三橋美智也の歌唱力と、歴史上の人物を描くというテーマ性、そして詩吟の導入というユニークな音楽性が組み合わさった作品であり、彼のキャリアにおける特筆すべき一枚と言えるでしょう。

もう一度検索