いかす走り屋チーム天国

いかす走り屋チーム天国（いか天）とは

「いかす走り屋チーム天国」（略称：いか天）は、1989年に三栄子会社のサンプロスによって創設されたアマチュアドリフトイベントです。この大会は、全国の走り屋チームが集結し、その走行技術を競う場となっており、アマチュアナンバーワンを決定するイベントとして長い歴史を誇っています。

来歴・概要

いか天は1989年に初めて開催され、その企画は当時のビデオオプション「ドリフトコーナー」が発端です。このイベントは後にD1グランプリへと発展し、その基礎を築きました。これまでに156回の地方大会と15回の全国大会が実施されており、年々変化する大会の様子は、ドリフトシーンの発展を反映しています。興味深いことに、タイトルはテレビ番組「いかすバンド天国」からのボケとして名付けられました。

初開催当初は、全国から集まる走り屋チームが腕前を競う真面目な大会としてスタートしましたが、回を重ねるごとにバラエティーを取り入れた和やかなイベントへと進化しました。初期のメディアは「ビデオオプション」や「ドリフト倶楽部」が中心でしたが、2001年からは「ドリフト天国ビデオ」へとシフト。このことで、アマチュア日本一を目指す大会に進化したのです。過去にはD1シリーズへの登竜門となったこともあり、数多くの著名なドライバーがここからプロへと羽ばたきました。

2019年以降は大会が開催されておらず、その理由や今後の再開予定について運営からの公式発表はなされていませんでした。しかし、2021年には「レジェンド大会」として過去の優秀者たちが一堂に会するイベントがエビスサーキットで行われ、2024年には6年ぶりの復活が発表され、全国の走り屋に希望をもたらしました。

特徴

大会名に「チーム」とある通り、参加は個人ではなく基本5人で構成されるチーム単位で行われます。走行前に各チームが紹介され、審査員が車両をチェック。ユニークなドライバー紹介として、仮装をしたり、地元の特産品を審査員に渡す参加者も見られます。競技の採点基準は、ドリフト走行の技術だけでなく、参加者の目立ち方にも重点を置いています。このため、大会を盛り上げる映像的な演出も加点要素となります。

ダイアモンドグランプリとの大きな違いは、まずプロ化されておらず特別な応募条件がない点や、審査員が回によって異なる点が挙げられます。これにより、参加者は多様なスタイルで競い合い、個人戦と団体戦の両方が存在するのも魅力的です。

個人戦

個人戦は各選手が1台ずつドリフトを行い、審査員によって100点満点で評価されます。それによって上位4チームが団体戦に進出します。高得点を獲得するためには、スピードと角度の両立、エンジン回転の持続、再加速の技術が求められます。また、大きなクラッシュによるインパクトが評価されることもあります。

団体戦

団体戦では、個人戦で進出した上位4チームがトーナメント方式で競い合います。個人戦の結果に基づき、対戦が行われるため、5人が一体となって連携を取りながら走行します。接触やクラッシュが発生する可能性が高く、出場者たちは高い技術での走行を求められ、成功した場合の迫力は観客を圧倒します。

表彰

大会の優勝チームにはメンテナンス用品やサーキット利用券が贈られ、特に盛り上がりを見せた参加者には記念品が贈呈されることが特徴です。

参加車両

参加者たちはシルビア、AE86、180SX、チェイサーといった定番のドリフト車両に加え、FF車での挑戦も見受けられます。ドリフト界では珍しい車両が出場することもあり、多様性が魅力の一つです。

結論

いかす走り屋チーム天国は、単なるドリフト大会ではなく、参加者同士の絆や新たなスタイルを生み出す場でもあります。若いドライバーたちが情熱をもって挑む姿は、これからもドリフト文化の発展に寄与し続けていくことでしょう。

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