いきのこれ! 社畜ちゃん

『いきのこれ! 社畜ちゃん』は、ビタワンによる原作と結うき。による作画で描かれる人気漫画作品です。2014年のTwitter投稿から始まり、2015年にはウェブマガジン『@vitamin』で連載がスタート。個性豊かなキャラクターと、IT業界や会社員生活のリアルな描写が話題を呼び、多くの読者から共感を集めました。

物語の中心となるのは、東京都下のIT企業「ブランクソフトウェア」で働くシステムエンジニア、通称「社畜ちゃん」です。彼女は、ブラック気味な職場環境の中で、個性的な同僚や理不尽な上司からの無茶な依頼に日々奮闘しています。終電に間に合わない日々や休日出勤、そして「社畜ちゃんにしかできない」というおだて文句に乗せられてさらに仕事を増やされてしまう、多くの会社員が経験するであろう悩みや苦労がコミカルに描かれています。

社畜ちゃんの職場である「ブランクソフトウェア」は、システム一課、システム二課、そして「亡霊課」と呼ばれているシステム三課という3つの部署で構成されています。それぞれの部署で働く個性豊かなキャラクターたちが物語を彩ります。

主な登場人物は、主人公の社畜ちゃん（本名:佐倉桜花）をはじめ、穏やかな性格で頼れる先輩さん、素直で真面目な後輩ちゃん（本名:小鳥遊ひより）、社畜ちゃんと同期で楽をするための努力を惜しまない同期ちゃん（本名:百瀬桃華）、一人で会社のインフラを管理するインフラさん、不定期でアルバイトをしているバイトちゃん（本名:鷺沼いのり）、部下に無茶振りを繰り返す上司さん、顧客の要望を安請け合いしてしまう営業さん、そして目立たないモブさんなどです。さらに、社畜ちゃんの妹である小春や、後輩ちゃんの同級生であるトモカちゃんも登場し、物語に深みを与えています。

特に、社畜ちゃんのキャラクターは多くの読者から共感を呼びました。彼女は真面目で責任感も強く、周囲の期待に応えようと頑張るあまり、自分自身を追い詰めてしまう一面も持ち合わせています。そんな彼女の葛藤や、それでも前向きに生きていく姿は、多くの読者に勇気を与えました。

また、作品中にはIT業界特有の専門用語や、会社員なら誰もが経験するであろう「あるある」ネタが多数盛り込まれています。これらの描写は、原作であるビタワンの体験談に基づいており、リアリティあふれる作品に仕上がっています。

2016年には『電撃G'sコミック』に読み切り作品が掲載され、さらに人気を拡大。2017年には、「後輩ちゃん」と「バイトちゃん」を主人公にしたスピンオフ作品『いきのこれ！ 社畜ちゃん〜後輩ちゃんオタ活動記〜』（作画:湧井想太、キャラクターデザイン:結うき。）も連載が開始されました。

2023年1月上旬に商業連載が終了し、コミックスは全9巻で完結。その後は、原作・ビタワン、作画・結うき。名義で個人連載（事実上のインディーズ連載）が開始されました。

本作品は、単なる職場コメディにとどまらず、現代社会における働く人々の生き方や、人間関係の難しさ、そして自己との葛藤など、普遍的なテーマを扱っています。多くの読者から愛され、支持を集めた『いきのこれ! 社畜ちゃん』は、現代社会を生きる人々にとって、共感と笑いを届ける作品と言えるでしょう。 LINEスタンプや無料ゲームなど、様々なメディアミックス展開も実施され、その人気は多方面に広がっています。

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