いたちごっこ

いたちごっこ

概要

いたちごっことは、双方が同じことを繰り返して、物事がいつまで経っても解決しない状況を指す言葉です。議論や交渉などが堂々巡りとなり、進展が見られない状態を表す際によく用いられます。

語源

語源は、江戸時代後期に流行した子供の遊びに由来します。二人一組で行うこの遊びは、以下のような手順で行われます。

1. 二人は向かい合い、互いの手の甲を重ねます。
2. 一方が「いたちごっこ」、もう一方が「ねずみごっこ」と言いながら、交互に相手の手の甲を軽くつねります。
3. つねる際、自分の手が一番下になったら、その手を上に移動させ、再び相手の手の甲をつねります。

この遊びは、両手がふさがって一番下の手を上に持っていくという動作を繰り返すため、終わりがありません。この終わりのない様子から転じて、「埒があかない」「きりがない」といった意味合いを持つようになり、現在のような「堂々巡り」の状態を指す言葉として定着しました。

類義語

堂々巡り: 同じ議論や行動を繰り返して、結論が出ないこと。
水掛け論: 互いに自分の主張ばかりを繰り返し、解決しない議論。
無限ループ: プログラムなどが終わりのない繰り返し処理を行うこと。転じて、終わりの見えない状況を指す。

使用例

「委員会での議論は、毎回同じことの繰り返しで、まるでいたちごっこのようだ。」
「交渉は平行線をたどり、いたちごっこの状態が続いている。」
「このプロジェクトは、問題点が次々と出てきて、まるでいたちごっこのようだ。」

関連語

イタチ: 食肉目イタチ科の動物。いたちごっこの語源となった遊びとは直接的な関係はありません。
千日手: 主に将棋で、対局者双方が同じ局面を繰り返す状態。将棋における「いたちごっこ」とも言える。
* 編集合戦: インターネット百科事典などで、特定の記事の内容を巡って、複数の編集者が互いに編集を繰り返すこと。これも一種の「いたちごっこ」と言える。

まとめ

「いたちごっこ」は、単なる言葉遊びから生まれた言葉ですが、現代社会においても、様々な場面で用いられる汎用性の高い表現です。物事が停滞し、進展が見られない状況を的確に表現する言葉として、覚えておくと役立つでしょう。

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