うちで踊ろう

「うちで踊ろう」とは

「うちで踊ろう」は、日本の音楽家である星野源が2020年4月3日に自身のInstagramで発表した楽曲です。この曲は新型コロナウイルスの影響で自宅待機を強いられた人々に向けて、家の中で気軽に楽しむことを促進する内容となっています。楽曲の配信は、2020年4月15日から無料で開始され、Instagram、YouTube、TwitterなどのSNSを通じて広まりました。

制作の背景

星野源が「うちで踊ろう」を発表した当時、日本では新型コロナウイルス感染症の影響が深刻化し、政府は外出自粛を求めていました。この状況を受けて、星野は「家でじっとしていたらこんな曲ができました」として、アコースティックな弾き語り動画を公開しました。彼はこの曲で「おうちで踊ろう」ではなく「うちで踊ろう」と表現したのは、医療従事者が心の中ででも踊れるようにという思いからです。

4月15日からは専用サイトで音源が無料配信され、日本語だけでなく英語と中国語の歌詞も掲載されました。その後、5月29日には「Potluck Mix」バージョンも公開され、これは星野のライブバンドメンバーによるアレンジ版です。さらに、2020年12月31日に放送された「第71回NHK紅白歌合戦」では、この曲の特別バージョンが演奏され、多くの注目を集めました。

コラボレーションと反響

楽曲の発表後、星野は他のユーザーに対してコラボレーションを呼びかけました。この呼びかけにより、著名なアーティストやタレントが続々と動画を投稿し、大きな反響を呼びました。三浦大知や広瀬香美をはじめ、多数のミュージシャンや俳優がこの曲に参加しました。その中には、YouTuberやアニメーターも含まれ、専門的なアーティストによるオーケストラ編成も登場しました。彼らはそれぞれ独自のスタイルで「うちで踊ろう」を表現し、コラボレーションが重なり合いました。

安倍晋三首相とのコラボ動画

また、当時の内閣総理大臣である安倍晋三もこの曲を使用した動画を投稿しました。その内容は、彼が自宅でリラックスしている様子を収めたもので、多くの賛否が集まりました。星野はこのコラボについて事前に連絡がなかったと述べ、政治的な利用に関する議論が巻き起こりました。支持者と反対者の意見が交わる中、動画には肯定的な反応も多く寄せられました。

ライブと受賞歴

ライブパフォーマンスは、2020年の「おげんさんといっしょ」や「ミュージックステーションウルトラSUPER LIVE」、紅白歌合戦など複数のテレビ番組で行われました。特に紅白では、未発表の歌詞が加えられた状態での演奏が話題となりました。星野源は2020年の活躍が評価され、GQ Men of the Yearでインスピレーション・オブ・ザ・イヤー賞を受賞しました。

「うちで踊ろう」は、ただの音楽以上に、困難なときに人々をつなぎ、勇気を与える役割を果たしました。コロナ禍の中で、多くの人々が一緒に楽しむことの大切さを再確認させられた作品として、歴史に残ることでしょう。

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