うみねこのなく頃に episode1 - Legend of the golden witch

うみねこのなく頃に episode1 - Legend of the golden witch

『うみねこのなく頃に episode1 - Legend of the golden witch』（黄金の魔女の伝説）は、同人サークル07th Expansionが製作した同人ゲーム『うみねこのなく頃に』シリーズの第一作です。2007年8月17日にコミックマーケット72で発表、販売されました。タイトル表記は『うみねこのなく頃に』と、「な」の文字が赤くなっているのが特徴です。

概要

本作は、主人公である右代宮戦人を中心に、魔女ベアトリーチェとの対決を描いた物語です。しかし、視点は戦人だけでなく、親族や他のキャラクターにも移り、物語は多角的に展開していきます。

物語前半は、右代宮一族が年に一度集まり、親族会議を行う様子が描かれます。しかし、魔女からの手紙、そしてその手紙の内容通りに実行される殺人事件によって、物語は一変します。外部との連絡が途絶えた孤島で、18人しかいないはずの島に「19人目」が存在するのかどうかが、物語の大きなテーマとなります。

ストーリー

大富豪である右代宮一族は、年に一度の親族会議のため、当主の住む孤島「六軒島」に集まります。集まった18人の一族のもとに、右代宮家に伝わる伝説の魔女「ベアトリーチェ」を名乗る人物から手紙が届きます。その手紙をきっかけに、一族は凄惨な連続殺人に巻き込まれていきます。折からの台風によって島は完全に封鎖され、外部との行き来が不可能となります。犯人は一族の中にいるのか、それとも未知の「19人目」が存在するのか。疑心暗鬼が渦巻く中、殺人事件は次々と発生します。

殺人事件

本作の殺人事件は、常人には不可能と思われるものが多く、魔女の魔法によるものなのか、人間の犯行なのかが重要なポイントとなります。多くの死体が、右代宮家に伝わる碑文に見立てて殺されており、殺害現場には魔法陣や魔女からの手紙が残されています。これらの小道具が、登場人物たちに「魔女ベアトリーチェが魔法を使って殺人を犯した」という印象を与えていきます。

各事件

第1の事件：薔薇庭園の倉庫
被害者：蔵臼、留弗夫、霧江、楼座、紗音、郷田（第一の晩・六人の生贄）
薔薇庭園の倉庫で、顔面が損壊した6人の死体が発見されます。顔全体が損壊している死体と、側面のみ損壊している死体がありました。現場の鍵は使用人室にあり、そこから目を盗んで持ち出すことは困難でした。倉庫のシャッターには魔法陣が描かれていました。
第2の事件：書斎
被害者：金蔵
夏妃と絵羽が金蔵に会いに行くと、書斎に籠っていたはずの金蔵が消えていました。絵羽は、夏妃が朝に金蔵に会った後、ドアに挟んだレシートの位置が変わっていないことから、金蔵はドアから出ていないと推理します。絵羽は夏妃が窓から突き落としたと主張しますが、戦人は金蔵が部屋のどこかに隠れていた可能性を指摘。絵羽には第一の事件のアリバイがないこともあり、結論は保留となります。
第3の事件：本館の絵羽・秀吉の部屋
被害者：絵羽、秀吉（第二の晩・寄り添う二人）
ドアチェーンのかかった部屋の中で、絵羽と秀吉の死体が発見されます。戦人はドアチェーンの隙間から凶器を投げ入れたと考えますが、両者ともドアの外からは確認できず、それは不可能でした。ドアの隙間には、第三の晩の内容と一致する手紙が置かれていました。
第4の事件：ボイラー室
被害者：金蔵（第四の晩・頭）、嘉音（第五の晩・胸）
悪臭がするため、嘉音と熊沢が調べに行くと、誰かが地下（ボイラー室）へ行くのを目撃します。嘉音は熊沢を置いて一人で犯人を追い、対峙しますが、返り討ちに遭い胸を刺されます。戦人たちが駆けつけた時には、犯人の姿はなく、開け放たれたドアと息絶えた嘉音が残されていました。悪臭の原因は焼却炉で焼かれていた金蔵の遺体でした。
第5の事件：書斎
残された人々が、犯人から逃れるため書斎に立て籠もっていると、突然机の上にベアトリーチェからの手紙が現れます。誰が手紙を置いたのかで論争となり、集団内に不和が生まれます。夏妃は、手紙を置くことが可能な位置にいた真里亞、源次、南條、熊沢を犯人の一味だと断定し、書斎から追い出します。
第6の事件：客間
被害者：源次（第六の晩・腹）、南條（第七の晩・膝）、熊沢（第八の晩・足）
使用不能だった電話が鳴り、受話器から聞こえた謎の歌が真里亞の声だと判明。急いで客間へ向かうと、そこは血の海と化しており、源次、南條、熊沢の3人は顔を損壊された死体となっていました。真里亞はベアトリーチェに「壁に向かって歌っていれば何も聞こえない」と言われたから歌っていると話します。客間は鍵がかけられた密室状態でした。
第7の事件：玄関ホール
被害者：夏妃（第九の晩・魔女復活）
客間でベアトリーチェからの手紙を拾った夏妃は、玄関ホールでベアトリーチェと決闘しますが、敗北し眉間を撃ち抜かれて死亡します。
第8の事件：後日談
被害者：戦人、朱志香、譲治、真里亞（第十の晩・黄金郷）
後日、警察による現場検証が行われ、人間の身体の一部が発見されます。真里亞については顎の一部が発見され、歯科治療の記録から本人と断定されますが、戦人、朱志香、譲治の3人は死体すら見つからず行方不明となります。この凄惨な状況から、生存者は絶望的だと見られています。

TIPS

“チェス盤をひっくり返す”
戦人や霧江がよく使う理論で、相手の立場になって考えるという意味です。しかし、ルールや目的が異なれば、役に立たない脆弱なものです。

メディア展開

漫画
スクウェア・エニックス『ガンガンパワード』で連載開始後、『月刊ガンガンJOKER』に移籍し連載。「episode1」の連載終了後、「episode3」へ移行。
作画：夏海ケイ
小説
講談社BOXより刊行。
著：竜騎士07、イラスト：ともひ

外部リンク

うみねこのなく頃に 公式サイト

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