うみねこのなく頃に散 episode7 - Requiem of the golden witch
『うみねこのなく頃に散 episode7 - Requiem of the golden witch』（黄金の魔女の葬送曲）は、同人サークル07th Expansionが制作した『うみねこのなく頃に』シリーズの第7作です。2010年8月14日にコミックマーケット78で頒布され、『うみねこのなく頃に散』としては3作目にあたります。タイトルでは「な」の文字が赤く強調されています。
本作は、六軒島殺人事件に至る右代宮家の歴史を深く掘り下げたエピソードです。これまでの主人公である戦人とベアトリーチェの出番は少なく、ウィルと理御という新たなキャラクターが探偵役を務めます。彼らが右代宮一族と六軒島の過去の出来事を明らかにしていく物語が展開されます。
エピソードのキーワードは「動機」（ホワイ・ダニット）。六軒島殺人事件の関係者たちの心情に関する推理が、読者への挑戦として提示されます。同時に、過去のエピソードにおける犯人やトリックについて、核心的な情報も多く提示されます。
右代宮戦人は、ゲームマスターであるベアトリーチェのゲーム盤を完全に解き明かしました。その結果、ベアトリーチェは棺の中で眠りにつきます。戦人は自らが書き留めた物語をベアトリーチェの棺に納め、自らが知った真実を語ることなく姿を消しました。こうして、戦人のために用意された長きにわたるゲームは終わりを迎えます。
一方、観劇の魔女フェザリーヌは「推理の答え合わせ」を求め、ベルンカステルにベアトリーチェ伝説の真相を暴くよう要求します。それに応じたベルンカステルが用意したのは、ベアトリーチェが六軒島に復活しなかった世界。そこでは金蔵の意向により、ベアトリーチェの葬儀が執り行われていました。葬儀の会場に現れたのは、ウィラード・H・ライトと名乗る男。彼は天界大法院の異端審問官であり、本作の謎解き役です。彼のパートナーは、257万8917分の1の確率で誕生した右代宮家の次期当主、右代宮理御。ゲームの主役たちが去ったゲーム盤を舞台に、物語の外側から来た奇妙なコンビが、ベアトリーチェ伝説が生まれた経緯を調査し始めます。
本作は、ウィラードと理御が右代宮家関係者に聞き込みを行い、彼らの過去の物語が回想として語られる形式で進行します。
本作で追求される事件の謎は以下の通りです。
金蔵の若い頃のベアトリーチェとの出会いの真相
19年前に死亡したとされる夏妃の養子の素性
19年前に楼座が出会った九羽鳥庵のベアトリーチェの素性
六軒島の怪談としてのベアトリーチェ伝説が生まれた真相
碑文の謎解き
Episode1-4までの殺人に関する各種トリックの謎解き
六軒島大量殺人事件の真相
これらの謎について、極めて解答的な内容が語られますが、意図的に多様な解釈が可能な記述がされており、全ての読者に同一の真相が与えられるわけではありません。
ベアトリーチェ殺人事件
ウィラードが挑む事件。ベルンカステルが作り出した世界では、金蔵によってベアトリーチェの葬儀が行われています。ベルンカステルによると、この世界ではベアトリーチェは何者かに殺されたために復活できていません。ウィラードの目的は、ベアトリーチェを殺した犯人を探すことです。
ホワイ・ダニット
ウィラードが重要視する要素で、犯人の「動機」のこと。ウィラードの言葉を通じて、多くの本格ミステリーが「動機の推理」という楽しみ方を軽視していることへの警鐘が語られます。
ヴァンダイン二十則
Episode5-6に登場したノックス十戒と同様、「ミステリーのルール」を赤字で強制する能力。ウィラードが使用します。本作では以下の3つが登場し、その内容は現実のヴァン・ダインの二十則と類似しています。
手掛り全ての揃わぬ事件を禁ず（第1則）
死体なき事件であることを禁ず（第7則）
使用人が犯人であることを禁ず（第11則）
観劇者権限
ベルンカステルがウィラードに与えた能力。「観覧席への招待状」とも呼ばれます。具体的な力は明確には語られませんが、ウィラードが誰かに触れると、メタ世界にその人物が現れて自分の過去に関する物語を語り出します（ただし、その内容が過去に実際にあった出来事である保証はありません）。
スクウェア・エニックス『月刊少年ガンガン』2011年5月号から2015年4月号まで連載。水野英多が作画を担当し、原作で明かされなかった明確な解答が追記されたシーンも存在します。
ISBN 978-4-75-753454-4 （2011年12月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-753702-6 （2012年8月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-753829-0 （2012年12月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754044-6 （2013年8月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754175-7 （2013年12月21日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754274-7 （2014年4月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754388-1 （2014年8月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754496-3 （2014年12月22日 初版発行）
ISBN 978-4-7575-4608-0 （2015年4月22日 初版発行）
講談社BOXより刊行。
著：竜騎士07
イラスト：ともひ
考証協力：KEIYA
うみねこのなく頃に散 Episode7 上 ISBN 978-4-06-283885-6 （2015年6月3日 初版発行）
うみねこのなく頃に散 Episode7 下 ISBN 978-4-06-283901-3 （2018年9月2日 初版発行）
うみねこのなく頃に 公式サイト
ガンガンNET | うみねこのなく頃に散 Episode7:Requiem of the golden witch
概要
本作は、六軒島殺人事件に至る右代宮家の歴史を深く掘り下げたエピソードです。これまでの主人公である戦人とベアトリーチェの出番は少なく、ウィルと理御という新たなキャラクターが探偵役を務めます。彼らが右代宮一族と六軒島の過去の出来事を明らかにしていく物語が展開されます。
エピソードのキーワードは「動機」（ホワイ・ダニット）。六軒島殺人事件の関係者たちの心情に関する推理が、読者への挑戦として提示されます。同時に、過去のエピソードにおける犯人やトリックについて、核心的な情報も多く提示されます。
ストーリー
右代宮戦人は、ゲームマスターであるベアトリーチェのゲーム盤を完全に解き明かしました。その結果、ベアトリーチェは棺の中で眠りにつきます。戦人は自らが書き留めた物語をベアトリーチェの棺に納め、自らが知った真実を語ることなく姿を消しました。こうして、戦人のために用意された長きにわたるゲームは終わりを迎えます。
一方、観劇の魔女フェザリーヌは「推理の答え合わせ」を求め、ベルンカステルにベアトリーチェ伝説の真相を暴くよう要求します。それに応じたベルンカステルが用意したのは、ベアトリーチェが六軒島に復活しなかった世界。そこでは金蔵の意向により、ベアトリーチェの葬儀が執り行われていました。葬儀の会場に現れたのは、ウィラード・H・ライトと名乗る男。彼は天界大法院の異端審問官であり、本作の謎解き役です。彼のパートナーは、257万8917分の1の確率で誕生した右代宮家の次期当主、右代宮理御。ゲームの主役たちが去ったゲーム盤を舞台に、物語の外側から来た奇妙なコンビが、ベアトリーチェ伝説が生まれた経緯を調査し始めます。
事件の謎解き
本作は、ウィラードと理御が右代宮家関係者に聞き込みを行い、彼らの過去の物語が回想として語られる形式で進行します。
本作で追求される事件の謎は以下の通りです。
金蔵の若い頃のベアトリーチェとの出会いの真相
19年前に死亡したとされる夏妃の養子の素性
19年前に楼座が出会った九羽鳥庵のベアトリーチェの素性
六軒島の怪談としてのベアトリーチェ伝説が生まれた真相
碑文の謎解き
Episode1-4までの殺人に関する各種トリックの謎解き
六軒島大量殺人事件の真相
これらの謎について、極めて解答的な内容が語られますが、意図的に多様な解釈が可能な記述がされており、全ての読者に同一の真相が与えられるわけではありません。
TIPS
ベアトリーチェ殺人事件
ウィラードが挑む事件。ベルンカステルが作り出した世界では、金蔵によってベアトリーチェの葬儀が行われています。ベルンカステルによると、この世界ではベアトリーチェは何者かに殺されたために復活できていません。ウィラードの目的は、ベアトリーチェを殺した犯人を探すことです。
ホワイ・ダニット
ウィラードが重要視する要素で、犯人の「動機」のこと。ウィラードの言葉を通じて、多くの本格ミステリーが「動機の推理」という楽しみ方を軽視していることへの警鐘が語られます。
ヴァンダイン二十則
Episode5-6に登場したノックス十戒と同様、「ミステリーのルール」を赤字で強制する能力。ウィラードが使用します。本作では以下の3つが登場し、その内容は現実のヴァン・ダインの二十則と類似しています。
手掛り全ての揃わぬ事件を禁ず（第1則）
死体なき事件であることを禁ず（第7則）
使用人が犯人であることを禁ず（第11則）
観劇者権限
ベルンカステルがウィラードに与えた能力。「観覧席への招待状」とも呼ばれます。具体的な力は明確には語られませんが、ウィラードが誰かに触れると、メタ世界にその人物が現れて自分の過去に関する物語を語り出します（ただし、その内容が過去に実際にあった出来事である保証はありません）。
漫画
スクウェア・エニックス『月刊少年ガンガン』2011年5月号から2015年4月号まで連載。水野英多が作画を担当し、原作で明かされなかった明確な解答が追記されたシーンも存在します。
書籍情報
ISBN 978-4-75-753454-4 （2011年12月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-753702-6 （2012年8月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-753829-0 （2012年12月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754044-6 （2013年8月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754175-7 （2013年12月21日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754274-7 （2014年4月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754388-1 （2014年8月22日 初版発行）
ISBN 978-4-75-754496-3 （2014年12月22日 初版発行）
ISBN 978-4-7575-4608-0 （2015年4月22日 初版発行）
小説
講談社BOXより刊行。
著：竜騎士07
イラスト：ともひ
考証協力：KEIYA
うみねこのなく頃に散 Episode7 上 ISBN 978-4-06-283885-6 （2015年6月3日 初版発行）
うみねこのなく頃に散 Episode7 下 ISBN 978-4-06-283901-3 （2018年9月2日 初版発行）
外部リンク
うみねこのなく頃に 公式サイト
ガンガンNET | うみねこのなく頃に散 Episode7:Requiem of the golden witch
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。