うるとらスーパーさぶっ!!

『うるとらスーパーさぶっ!!』：サッカー界を斬る風刺漫画

村山文夫氏による4コマ漫画『うるとらスーパーさぶっ!!』は、サッカーファンにはお馴染みの作品です。2001年の連載開始から2024年2月まで、掲載媒体を変えながらも長きにわたり連載されました。

概要

この漫画は、サッカー界で起こる様々なニュースや出来事を題材に、独特の視点とユーモアで描き出しています。実在の選手や監督の特徴を捉え、デフォルメされたキャラクターたちが繰り広げるコミカルな世界は、多くのファンを魅了しました。当初はコミカルな要素が中心でしたが、連載が進むにつれて、ジーコや川淵三郎といったサッカー界の重鎮たちへの容赦ない皮肉や、社会風刺的な要素も含まれるようになり、作品の魅力に深みが増しました。

連載の歴史

サッカーダイジェスト掲載『スーパーさぶっ!!劇場』時代(2001 - 2008)

2001年、『週刊サッカーダイジェスト』にて『スーパーさぶっ!!劇場』として連載がスタート。当初は読者ページの隅にモノクロで掲載されていましたが、徐々に人気を集め、2001年後半からは1ページ・週3本の連載に拡大、2002年からはカラー連載となりました。ファンからの熱い要望に応え、2005年には初の単行本「ジーコジャパン激闘編」が出版。その後も2006年、2007年にかけて単行本が続々と発売されました。

サッカーマガジン掲載「うるとらスーパーさぶっ!!」時代(2008 - 2013)

2008年2月、『ダイジェスト』での連載を終え、数週間後には競合誌である『週刊サッカーマガジン』にて、タイトルを『うるとらスーパーさぶっ!!』と改め、連載をスタートさせました。内容や登場キャラクターは『劇場』時代から大きく変わることはなく、実質的な掲載誌の移籍となりました。

ゲキサカ掲載「ゲキさぶっ!!」時代(2013 - 2024)

2013年、『マガジン』が月刊誌へと移行したことを受け、同年12月からは『ゲキサカ』にて『ゲキさぶっ!!』と改題し、週3回の更新で連載を継続。2024年2月、惜しまれつつも23年にわたる連載に幕を閉じました。2014年には、双葉社から7年ぶりとなる単行本『スーパーさぶっ!　W杯がんばれザックジャパン』が発売されています。

独自のキャラクターとネタ

『うるとらスーパーさぶっ!!』の魅力は、何と言っても個性的なキャラクターと、サッカー界の出来事を巧みに取り入れたネタにあります。例えば、ジーコ監督時代には、代表選手を料理に見立てた「黄金のレストランシリーズ」や、明神智和選手の存在感の薄さをネタにした「目立たない男（ミョージンはん）シリーズ」など、数々の人気シリーズが生まれました。また、海外サッカーリーグを別の組織に見立てたシリーズも人気を集めました。

デフォルメの妙

作中に登場する選手たちは、その特徴を捉えつつも、大胆にデフォルメされています。稲本潤一選手は太ったキャラクターとして描かれ、久保竜彦選手はほとんど喋らずに爆発を起こすなど、強烈なインパクトを与えるキャラクターたちが、作品を彩りました。

『うるとらスーパーさぶっ!!』は、サッカーファンにとっては笑いと共感、そして時には苦笑いを誘う、特別な作品です。サッカーの知識がなくても楽しめるユーモアと、サッカーファンなら思わずニヤリとしてしまう小ネタが満載で、多くの読者を魅了し続けました。

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