うる星やつら

『うる星やつら』とは

『うる星やつら』は、高橋留美子が手掛けた日本の漫画で、1978年から1987年までの約10年間にわたり、週刊少年サンデーに連載されました。作品は浮気者の高校生・諸星あたると、彼を一途に愛する宇宙人美少女・ラムを中心に展開されるドタバタラブコメディです。カラクリに満ちたストーリーは、異次元や宇宙を舞台にした奇想天外な設定で、1980年代の若者たちに絶大な支持を得て、一大ブームを引き起こしました。

作品の背景

初めは短期集中連載として開始された本作は、その人気から月刊連載に移行。そして1980年に正式に週刊連載へと発展しました。作者が大学生であった当時、20 - 30ページの作品を数カ月ごとに掲載していたものの、大学卒業と同時に本格的な週刊連載に入ります。これにより、作品のリズムが変わり、ますます多くのファンを魅了することになりました。最終的には全366話が収められ、単行本は34巻にわたる長期連載作品となりました。

特徴的な作風

本作は、最初はギャグやSF的な要素が強いものでしたが、連載が進むにつれて恋愛要素が色濃くなり、ドタバタの合間にシリアスなストーリーが挿入されることで、多彩な要素を組み合わせたラブコメとしての色合いが強まりました。高橋留美子の独特なキャラクターが作品に彩りを添え、恋愛学園もの、ファンタジー、スポーツなど多岐にわたる経験を通じて、最終話に至りました。

登場人物

作品の中心となるのは、高校生の諸星あたると宇宙人のラムです。あたるは浮気性の青年で、恋人のしのぶとラムの間で揺れ動く姿が描かれています。一方、ラムは彼に強く惹かれ、彼を追いかける存在です。物語は彼らを軸に、さまざまなキャラクターたちとの関わりを通じて展開され、群像劇的な要素も活かされています。

舞台と設定

物語は地球の友引町を主な舞台とし、高校生活を中心に描かれています。この町らしい騒動や異次元からの訪問者が絶えず起こることで、物語には常に新しい展開がもたらされます。

受賞歴と影響

本作の斬新なストーリーとキャラクターは特に1980年代において、漫画やアニメ界に多大な影響を与えました。第26回小学館漫画賞の少年少女部門を受賞するなど、商業的にも成功を収め、2020年には発行部数が3500万部を超えました。

アニメ化とメディア展開

1981年にはテレビアニメとして放映され、その後も劇場版やOVAが続々と制作されて人気を博しました。2022年には新たにアニメ化され、世代を超えたファンの支持を集めています。

高橋留美子はこの作品について「20代の漫画で自分の青春」と語っており、当時の若者たちの心をつかむ要素が詰まっています。これにより、今もなお愛される名作となっているのです。

もう一度検索