おしい刑事

『おしい刑事』

『おしい刑事』は、著者・藤崎翔による連作短編ミステリ小説集で、2016年10月にポプラ社から刊行されました。本書では、押井刑事が数多くの難事件に立ち向かう姿が描かれています。彼の特異なキャラクターは、高い推理力を持ちながらも、つねに思わぬ展開によって手柄を奪われる運命にあります。

収録作品

本書には6つの物語が収められており、それぞれが独立した事件を扱っています。

1. おしい刑事参上
2. おしい刑事のテスト
3. 密着・おしい刑事
4. おしい刑事の雪冤
5. 安楽椅子おしい刑事
6. おしい刑事よ永遠に

さらに2017年には、続編として『恋するおしい刑事』が発表されました。この作品では、新たに加わった美女刑事とのバディを組む押井が、さらに5つの難事件に挑戦する姿が描かれています。

テレビドラマ化

2019年の5月から5月まで、NHK BSプレミアムの「プレミアムドラマ」枠で本作がテレビドラマ化されました。主演には風間俊介が抜擢され、1シーズンで4回放送されました。この人気を受けて、2021年には続篇『やっぱりおしい刑事』が放送され、こちらは全8回の構成となっています。

登場人物たち

物語の中心である押井敬史は、警視庁強行犯捜査係の刑事ですが、かつての栄光からある事情で広報課に移動されてしまいます。しかし彼は依然として伝説の刑事と呼ばれ、様々な事件を解決していきます。彼の同僚や後輩である横出徹をはじめ、魅力的なキャラクターたちが物語を彩っています。

特に、灰田絵奈という国際犯担当の刑事は、多言語を操るマルチリンガルであり、押井との関係も物語の重要な要素となります。彼女は職務に厳しく、押井の独特な性格に振り回されながらも、互いに成長していく姿が描かれています。

事件の連鎖と驚きの展開

それぞれの短編では、巧妙に組まれたストーリーが展開されますが、押井が毎回手柄を奪われる背景には、日常生活の中に潜む人間関係や過去の因縁が絡んでいることが多いです。それにより、読者は事件の解決だけでなく、登場人物の人間模様にも深く関与することができます。

『おしい刑事』は、面白いキャラクターと緻密なプロットを通じて、推理小説の新たな楽しさを提供しています。ミステリー好きにはたまらない作品です。また、続編もぜひお楽しみいただきたいです。

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