おはよう5

おはよう5（おはようファイブ）

『おはよう5』は、1995年4月3日から1999年3月31日まで、NHK総合テレビジョンで放送された情報番組です。

番組の開始と背景

本番組がスタートした1995年度は、気象業務法の改正により、民間気象会社による一般向け予報が解禁され、気象情報を取り巻く状況が大きく変化した年でした。また、NHK総合テレビの放送開始時刻が1時間早められた時期でもあります。こうした背景のもと、『おはよう5』は、民放ではすでに一般的となっていた「早朝5時台の、天気予報を中心とした情報番組」として位置づけられ、放送を開始しました。開始当初は、女性キャスターがディスクジョッキーのように進行する形式が採用されていました。

気象情報への注力

番組の最大の特色は、気象情報への徹底した注力でした。番組開始に合わせ、NHKは予報画面のデザインを抜本的に刷新しました。天気図やアメダスなどの観測データ画面はもちろん、「晴れ」「曇り」「雪」といった天気マーク、さらには気象情報のテーマ音楽に至るまで、ほとんど全てを新しくし、多くの画面を動画で表現するようになりました。新聞のテレビ欄に番組名が「おはよう[天]」と表記されていたことからも、気象情報が番組の中核であったことがうかがえます。

天気予報のデータについては、番組開始当初は気象庁が前日21時に発表した予報を使用していましたが、民間予報の開始後は一時的に日本気象協会独自の予報を採用しました。しかし、1996年4月からは気象庁が予報の発表時刻を午前5時に早めたため、以後は気象庁発表のデータを使用するようになりました。

1995年4月に導入されたNHKの新しい予報画面は、その後細かな変更はあったものの、独特のポップなフォントやアニメーションする雪マークなど、主要なデザイン要素の多くは2019年12月まで長年にわたり使用されました。ただし、2001年4月以降は一部画面が更新され、動画表現が削減された時期もあります。また、一時的に天気マークが平面的なデザインに変更されたこともありましたが、2004年には主要なマークがCGによる立体的な表現に戻されました。

主な番組内容

番組では、気象情報以外にも様々なコーナーが設けられていました。

気象情報: 各都道府県につき1か所（北海道は7か所）の予報が伝えられるようになったのはこの番組が初めてでした。NHKの放送局が所在する都市の予報を中心に、1995年の自由化で登場したメッシュ予報なども紹介されました。
天気カメラリレー: 東京、札幌、松山など主要都市に設置されたロボットカメラ（通称：天気カメラ）からの映像をリレー形式で紹介しました。
ニュース: 1997年4月からはニュースショー形式に移行しましたが、それ以前の期間もニュースコーナーは存在しました。ただし、市況やスポーツに関するニュースは含まれていませんでした。
めざまし音楽 / おめざめ音楽: 番組内でBGMとして使用されたり、コーナー名として設けられたりしました。
列島リポート / ワールドナウ: 国内外の話題を紹介するコーナーでした。
ミニ番組（パッケージコーナー）: 番組開始当初から1997年3月頃まで、気象情報やニュース以外に、5分から10分程度の完パケ形式のミニ番組が多数放送されました。これは、ラジオのフロート番組に近い構成でした。

番組の変遷と終了

1996年4月1日からは、BS2でも同時放送が開始されました。番組形式は、1997年4月1日に大きな転換期を迎え、『NHKニュースおはよう日本』と同様のニュースショー形式へと変更されました。これにより、初期のDJ形式とは異なるスタイルとなりました。そして、1999年4月の春期改編をもって、本番組は長年NHKの朝の看板番組である『NHKニュースおはよう日本』に吸収統合される形で、約4年間の歴史に幕を下ろしました。

なお、番組は祝日、お盆休み、年末年始は放送を休止していました。

その他

番組には時期によって複数のキャスターやアナウンサーが出演しました。


(NHK放送史などを参照)

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