お人形新発売

トムとジェリー：お人形新発売

1962年公開のトムとジェリーカートゥーン『お人形新発売』は、人気キャラクターが人形となって発売されたことをきっかけにした騒動を描いた作品です。

物語は、商品箱から目覚めたジェリーが、スイカの種をトムの顔に発射する場面から始まります。このいたずらから、トムとジェリーのいつもの追いかけっこが始まります。トムはジェリーをハンマーで脅しますが、ジェリーは巧みにかわし、逆にトムを翻弄します。ジェリーは、マラカスのようにシャカシャカと音を立てながら踊り、その隙にトムはジェリーを筒の中に入れてしまいます。しかし、筒の中のジェリーはスイカの種をトムにぶつけ、トムを激怒させます。

怒り狂ったトムは、スイカを丸ごと食べ、口を機関銃のように変形させ、ジェリーにスイカの種を反撃します。ジェリーは箱の中に逃げ込み、そこで柔道の本を見つけ、柔道着に着替えて再登場。トムを相手に、見事な柔道の技でトムを打ち負かします。トムはボクシングやナイフで挑みますが、ジェリーの柔道には敵わず、完敗を喫します。

敗北を喫したトムは、柔道の道場に入門し、免許皆伝を取得。ジェリーへの復讐を誓い、決闘を申し込んできます。しかし、勝負はなぜか空手となり、ジェリーは手刀で板を割り、トムはレンガを割ります。ジェリーがコンクリートの塊を割ると、トムは巨大な木の塊を割ろうとしますが、その重さに耐えきれず、床を突き破り、自身も巻き込まれてしまいます。

最後は、ボロボロになったトムが箱の中に戻され、ジェリーが「THE END」と書かれた箱の蓋を閉めて、一礼する場面で幕を閉じます。日本語ナレーションでは、次回の人形セットには毒ガスが加えられるというユーモラスな予告がなされています。

登場キャラクター

トム: スイカの種をジェリーにかけられたことに激怒し、ジェリーへの報復を企てますが、ジェリーの機転と技の前にことごとく敗れ去ります。様々な格闘技を習得しようとしますが、最後は自身の力量を超えた技に苦戦し、自滅してしまいます。

ジェリー: スイカの種をトムにかけ、追いかけっこを始めるきっかけを作ります。トムの攻撃を巧みにかわし、柔道や空手を駆使してトムを圧倒します。その機転と武勇で、トムを何度も出し抜き、最後はトムを自滅に追い込むという痛快な勝利をおさめます。

作品の特徴

本作は、トムとジェリーのコミカルなアクションと、予想外の展開が魅力の作品です。特に、柔道と空手の描写は、時代背景を反映した独特な表現となっており、現代の視点から見ると興味深い点です。オープニングとエンディングでは、箱の開閉とクレジット表示が繰り返され、独特の雰囲気を作り出しています。また、TBS版では最終回として放送されることもあったようです。

まとめ

『お人形新発売』は、スイカの種をきっかけに始まるトムとジェリーのユーモラスな格闘劇です。予測不能な展開と、コミカルなアクション、そしてジェリーの痛快な勝利は、多くの視聴者を魅了する要素となっています。1962年当時の文化やアメリカ人の日本への理解度を垣間見れる点も、この作品をより魅力的にしています。日本の視聴者には、最終回として放送されたという記憶も、この作品への印象を強くしているのではないでしょうか。

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