お茶屋屋敷

お茶屋屋敷の歴史と概要

お茶屋屋敷（おちゃややしき）は、江戸時代初期の慶長10年（1605年）に、徳川家康によって岐阜県大垣市に設けられました。この休泊施設は、家康が上洛する際に利用するためのもので、中山道赤坂宿のすぐ西側に位置しています。現在、この地域は岐阜県に指定された史跡として保護されており、重要な文化財とされています。

施設の構造

お茶屋屋敷は、城郭形式を持ち、ほぼ方形の縄張りを有していました。施設の中には、総郭内と馬場跡が設けられ、四隅には櫓が存在し、正面には大手門がありました。また、全体を土塁や空濠が囲んでおり、豪壮な姿を見せていました。この構造は、ただの宿泊施設ではなく、緊急時には砦としての役割も持つ重要な場所でした。

歴史の変遷

設置当初、施設は周辺の大名に命じられて整備され、岐阜城から移築された61棟の建物が含まれていました。しかし、寛永5年（1628年）になると、旗本の岡田善同が管理にあたった際には、施設は著しい破損を受け、大半が取り壊されてしまいました。その後、廃藩置県の時期には、敷地が畑地として利用されることになりました。

1976年（昭和51年）には、岐阜県の指定史跡としてその価値が認められ、土塁や空濠などの貴重な遺構が残されていることが評価されました。現在、この場所は牡丹園として開放され、多くの人々が訪れる観光地となっています。

現在のお茶屋屋敷

今日では、大垣市赤坂町3421-1に所在するお茶屋屋敷の跡地は、地域の名主により個人所有となっています。お茶屋屋敷の遺構の一部—土塁や空濠、一部井戸跡が残っており、歴史を感じさせるスポットです。

その中心には、庄内町である赤坂ぼたん園があり、四月下旬から五月初旬にかけての開花時期には数多くのボタンが見られ、多くの観光客が訪れています。この牡丹園は、東海地方でも有数の美しさを誇る人気のスポットとなっています。

交通アクセス

アクセス面では、JR東海道本線の美濃赤坂駅から徒歩約12分の距離にあります。また、JR大垣駅南口から名阪近鉄バスを利用し、「消防赤坂分署」行きで「虚空蔵口」バス停下車後、徒歩で約3分と、訪れやすい立地にあります。

お茶屋屋敷は、その歴史的な価値だけでなく、美しい牡丹の花を楽しむことができる場所として、多くの人々に愛され続けています。

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