お調子者で行こう

アルバム『お調子者で行こう』

『お調子者で行こう』は、嘉門タツオ（旧名・嘉門達夫）が1985年にリリースした初のオリジナルアルバムです。このアルバムは、彼のメジャーデビューから約2年後に発売され、サザンオールスターズのアルバム『人気者で行こう』のパロディを思わせるジャケット写真とタイトルが特徴です。

発売の経緯

アルバムは当初、1985年5月21日に発売される予定でした。しかし、発売の1週間前にレコード倫理審査会から収録予定だった「業界人間ベム」と「一発屋ブルース」に対してクレームがつき、発売が延期されることになりました。この時、すでに8000枚がプレスされていたため、廃棄処分となりました。結果、「業界人間ベム」は歌詞の一部を変更することで収録が許可されましたが、「一発屋ブルース」は完全に収録NGとなり、代替として「お前らには負けへんで」が加えられることとなります。

この一連のトラブルに対して嘉門は皮肉的に「発禁のうた」を制作し、6月10日に日本コロムビアで行ったチャリティコンサートや経営するラジオ番組で披露しました。興味深いことに、「一発屋ブルース」はその後もテレビやラジオで流され続けます。このような騒動が、逆にアルバムの注目を集め、売り上げを上げる結果に繋がりました。実際、発売からわずか2週間で、レコードとカセットテープの合計で2万枚が販売されました。

収録曲の紹介

アルバムには、以下のような興味深い楽曲が収録されています。

1. 業界人間ベム
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：矢口博康

2. 涙のモデルはギザギザハート 〜いかにも私はモデルです〜
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：森雪之丞・大村憲司

3. 天才でバカボンを
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：森雪之丞・大村憲司

4. トキメキのオバンチュール
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：加瀬邦彦、コーラス編曲：植田芳暁

5. お前らには負けへんで
- 作詞・作曲・編曲：嘉門達夫（ライブ音源に基づいて収録）

6. アホが見るブタのケツ
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：新田一郎（3枚目のシングル）

7. 私はバッテラ
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：竜崎孝路（デビューシングルのB面とは異なるアレンジ）

8. ツッコミ ドレミファ・ドン
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：戸田誠司（別曲）

9. あったらコワイセレナーデ2
- 作詞・作曲：嘉門達夫、編曲：新田一郎（3枚目のシングルのB面）

10. どう見ても山田君
- 作詞：ますやまみのる、作曲：嘉門達夫、編曲：宮川泰

結論

『お調子者で行こう』は、嘉門タツオの才能が光る作品であり、彼のユーモアと反骨精神が反映されています。発売に至るまでの経緯や楽曲の背後にあるストーリーは、多くのファンにとって興味深いものとなっています。また、このアルバムは、当時の音楽シーンにも少なからず影響を及ぼしました。

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