からくり時計とタングの街

eddaの1stフルアルバム『からくり時計とタングの街』は、2018年11月7日にColourful Recordsからリリースされました。これは、彼女にとって初のフルアルバムであり、これまでの音楽活動の集大成とも言える作品です。

アルバムタイトルは、eddaがこれまでに発表した作品を通して辿り着いた街をイメージして名付けられました。彼女は、自身の音楽世界を「eddaという人物が“さんかく扉”という架空の扉を開けて、その向こう側にある世界で物語を集めて、ねごとの森の抜けた先にからくり時計とタングの街がある」と説明しています。ここで言う「タング」は、eddaが大切にしているテディベアの名前です。

制作は2ndシングル『フラワーステップ』のリリース後すぐに開始され、キャンペーン活動やイベント出演の合間を縫って行われました。eddaは当時を振り返り、「タイトなスケジュールで、周りはみんなピリピリしていた。ストック曲がたくさんあって良かった」と語っています。

アルバムは初回限定盤（CD+DVD）と通常盤（CDのみ）の2形態で発売されました。CDには、シングルとしてリリースされた「チクタク」と「フラワーステップ」、テレビ東京系ドラマ24『忘却のサチコ』エンディングテーマ「ループ」を含む全12曲が収録されています。特に「トントン」「リンドン」「宇宙ロケット」は、アルバムの核となる楽曲とされています。

初回限定盤のDVDには、「ループ」のミュージックビデオに加え、ライブ映像『edda Studio Live @森の家』から4曲が収録されています。

収録曲について、いくつか詳細を記します。

からくり時計：アルバムのオープニングを飾るインストゥルメンタル。eddaが敬愛するdetune.に編曲を依頼し、実現しました。
フラワーステップ：2ndシングル。日本テレビ系木曜ドラマF『探偵が早すぎる』の主題歌です。
ループ：アルバムの表題曲。テレビ東京系ドラマ24『忘却のサチコ』エンディングテーマであり、スペシャルドラマの主題歌「リピート」のアンサーソングです。コード進行は「ループ」と同じで、Dメロと歌詞は「リピート」のBメロと共通しています。ミュージックビデオでは、操り人形を用いて歌詞のテーマである葛藤が表現されています。
トントン：カントリー調の軽快な楽曲で、死刑台を作る職人の息子の心情を歌っています。
リンドン：毎年クリスマスに忙しくなるサンタクロースの息子を心配する主人公が、クリスマスを潰そうと企てる内容の楽曲です。
宇宙ロケット：1stEP『ねごとの森のキマイラ』に収録されている「グールックとキオクのノロイ」と別視点の楽曲で、月の住人と仲良くなった地球人側を描いています。
チクタク：メジャーデビューシングル。日本テレビ系アニメ『Infini-T Force』エンディングテーマです。
merry：ウェディングドレスブランド『b.b.duo』TVCMソング。「死んだ自分が生まれ変わった時に、独りぼっちになったタングが生まれ変わろうとしても心臓を持っていない。そこで月に行って心臓を持ち帰ってくる」というストーリーが歌われています。作曲はビッケブランカが担当しました。
* 導きの詩：アルバムの1曲目「からくり時計」の元となる楽曲です。

『からくり時計とタングの街』は、eddaの独特な世界観と音楽性が凝縮された、聴きごたえのあるアルバムです。

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