からっと!

『からっと!』：魔法の国を舞台にした、ゆる～い代理戦争コメディ

渡辺祥智氏による漫画作品『からっと!』(CARAT!)は、2007年9月から2009年10月まで連載された、全2巻の短編作品です。当初は『コミックブレイドZEBEL』で連載されていましたが、同誌の休刊に伴い『月刊コミックブレイドアヴァルス』に移籍しました。

物語のあらすじ：意外な魔法少女バトル

主人公は、中学3年生の馬場香音。眼鏡をかけ、三つ編みヘアという一見真面目な風貌から、周囲からは「委員長」と呼ばれていますが、実際は委員長ではありません。ある日、彼女はゴミ箱の中で不思議なコンパクトを見つけます。そのコンパクトから煙とともに現れたのは、魔法の国カラットの女王候補者であるユニでした。

ユニは、強力な魔法の力を持っており、親友であるメリッサと共に、カラットの次期女王候補者に選ばれています。しかし、親友同士で争うことを避けたいユニは、香音に女王争いの代理人になってほしいと依頼します。

香音は、人生を変えるチャンスと捉え、ユニの魔法の力を受け入れることに。しかし、それは、予想だにしないゆる～い代理戦争の始まりにすぎませんでした。香音は、ユニと共に、女王の座を巡るドタバタ劇に巻き込まれていくのです。

個性豊かな登場人物たち

馬場香音 (主人公):
一見真面目な風貌の中学生。ユニから魔法の力を得て魔法少女（魔女っ子に近い）となり、女王争いに参加することに。うどん好きで、やや中性的でガサツな性格ですが、物語の中では貴重なツッコミ役として活躍します。

ユニ:
カラットの女王候補者の一人で、香音に魔法の力を託した少女。魔法の力は強力ですが、どこか抜けた性格で、香音から容赦ないツッコミを受けることが多々あります。香音の家に居候しています。

メリッサ:
ユニの親友で、もう一人の女王候補者。ユニとは対照的に、おとなしく恥ずかしがり屋な性格です。同じく代理人を立て、鹿島歩人に魔法の力を託します。

鹿島歩人:
香音と同じ学校に通う少年で、こちらは正真正銘の委員長。文武両道でルックスも良く、女子人気も高いですが、一方で空気を読めない一面も持ち合わせています。メリッサから力を得て、魔法少年となります。

カラットの女王決定方法：石の意思

女王を決める方法は、ユニークです。勝負に勝つたびに、コンパクトに石が埋め込まれていきます。先に5つの石を手に入れた方が女王となるシステムです。石の意思と呼ばれる存在が、勝敗を決定することが多く、代理人には特にメリットはありません。

物語には、それぞれ個性的な性格を持つ石の意思が登場します。「愛」を司るジル、「安らぎ」を司るフォス、「癒し」を司るモルダバなど、彼らの存在も物語を面白く彩ります。

謎の魔法使い集団：ブリリアント四天王

カラットの辺境の村・ブリリアント出身の魔法使い集団「ブリリアント四天王」。メンバーは3人で、4人目は募集中という、どこか抜けた集団です。リーダー格のジェラルドは、ハニエル王子が目覚めることを目論み、香音達に狙いをつけます。

その他の登場人物

・女王ミゼルバ：カラットの女王。代理戦争をあっさり許可する。
・王子ハニエル：カラットの王子。女王候補が決まるまで眠り続けている。
・ニナ：ユニの姉で、女王になるべく妹たちに挑む。

まとめ：笑いと意外性あふれる、魔法の世界

『からっと!』は、魔法少女ものとは一線を画す、ゆる～い魔法バトルコメディです。個性豊かなキャラクターと、予測不能な展開が魅力で、クスッと笑えるシーンも満載。魔法の国を舞台にした、軽妙洒脱な物語を楽しみたい方におすすめです。また、ドラマCDも複数リリースされており、そちらも合わせて楽しむことができます。

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