がんばれ長嶋ジャイアンツ

「がんばれ長嶋ジャイアンツ」は、歌手・湯原昌幸が歌う、プロ野球の東京読売巨人軍に向けた応援歌です。この楽曲は、詩人である寺山修司が作詞を、作曲家の小林亜星が作曲を担当し、1975年に発表されました。

楽曲の誕生背景

この応援歌は、1975年に読売巨人軍の新たな監督に就任した長嶋茂雄氏とそのチームを鼓舞するために制作されました。長嶋氏の熱狂的なファンとして知られていた寺山修司氏は、かつて長嶋氏が巨人に入団した1958年に、彼の親友であった石原裕次郎氏が発表した応援歌「男の友情・背番号3」のような、記憶に残る応援歌を作り上げたいと考えていました。

また、前年である1974年に板東英二氏が歌い、大ヒットを記録した中日ドラゴンズの応援歌「燃えよドラゴンズ!」（作詞・作曲は山本正之氏）の成功も、寺山氏が応援歌制作を思い立つきっかけの一つになったとも伝えられています。

このような背景から、寺山氏は自身と親交のあった作曲家の小林亜星氏、そして同じく熱心な長嶋ファンであった歌手の湯原昌幸氏に協力を呼びかけました。そして、ペナントレース開幕を間近に控えた1975年6月、キャニオン・レコードよりこの楽曲がリリースされました。

リリース後の活動と反響

楽曲のリリースに合わせて、ニッポン放送とレコード会社のキャニオン・レコードは共同でプロモーションイベントを企画しました。1975年5月27日から29日にかけて行われた巨人対広島カープ戦、および6月1日から2日にかけての巨人対中日ドラゴンズ戦という、実際の公式戦開催日に、湯原昌幸氏が後楽園球場のグラウンドでこの応援歌を歌唱しました。これらのイベントは、球場に集まったファンに向けて楽曲を広める機会となりました。

また、この応援歌について、長嶋茂雄氏本人は湯原昌幸氏の歌唱に対し、感謝の意を示していると言われています。

再び脚光を浴びる

「がんばれ長嶋ジャイアンツ」は、長嶋茂雄氏が1993年に再び読売巨人軍の監督に就任した際にも、その勢いを後押しするかのように再発売されました。これにより、新たな世代の野球ファンにもこの応援歌が届けられることとなりました。

収録曲について

このシングルレコードには、「がんばれ長嶋ジャイアンツ」とカップリング曲として「男長嶋ジャイアンツ」の二曲が収録されています。両楽曲とも、作詞は寺山修司氏、作曲は小林亜星氏が手がけており、編曲は小杉仁三氏が担当しました。

がんばれ長嶋ジャイアンツ: 演奏時間は3分2秒です。
男長嶋ジャイアンツ: 演奏時間は2分44秒です。

アルバムへの収録

時を経て、この楽曲は小林亜星氏の業績を振り返るアルバムにも収録されています。2019年8月7日に日本コロムビアよりリリースされたアルバム「小んなうた 亞んなうた 〜小林亜星 楽曲全集〜 歌謡曲編」（COCP-40912）に、「がんばれ長嶋ジャイアンツ」が収録され、改めてその存在が確認されました。

関連情報

この楽曲に関連する事柄として、リリース年である1975年の音楽シーンや、読売巨人軍のその後の応援歌である「果てしない夢を」や「嵐の英雄」などが挙げられます。これらは、時代ごとの巨人軍の歩みや応援文化の変遷を考える上で興味深い関連性を持っています。

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