きつねと猟犬

きつねと猟犬

『きつねと猟犬』（英題：The Fox and the Hound）は、ウォルト・ディズニー・プロダクションが1981年に制作した長編アニメ映画です。この作品は、ダニエル・P・マニックスの小説を原作としており、日本では1983年に東京ディズニーランドの開園記念作品として上映されました。上映時間は83分で、アメリカでは『ワンス・アポン・ア・マウス』と同時上映され、日本では『バンビ』との併映でした。

映画制作の背景

映画制作は1977年に始まり、監督には『ビアンカの大冒険』で知られるアート・スティーブンスが選ばれました。彼はウォルフガング・ライザーマンの指導を受けながら制作を進めますが、当時のアニメーションスタッフは、重役たちの方針に不満を抱き退社する者が続出しました。そのため、エリック・ラーソンを筆頭とした新たなチームが結成され、120名以上のスタッフが集結して作業を行いました。270万枚以上の原画と、11万枚以上のセルが使用され、見事なアニメーションが実現されました。

あらすじ

物語は孤児になった子ギツネ・トッドと、猟師の元に飼われた猟犬の子犬・コッパーの友情から始まります。二匹は親友となり、将来に待ち受ける運命を知らずに育ちます。しかし時が経つにつれて、トッドが森に戻ると、コッパーは猟犬として成長を遂げます。そして彼らは、再会を果たすも敵同士となってしまいます。猟師の命令でトッドを狙うコッパーと、友を守ろうと奮闘するトッドとの間に、様々な葛藤が生まれます。

物語は、トッドが大きなクマから猟師とコッパーを救うシーンを通じて、友情の大切さと自己犠牲の精神を描き出します。映画の最後では、猟師も改心し、トッドは新たに出会ったメスギツネ・ビクシーと幸せに暮らすことに。これにより、物語全体が友情となくしてはならないものであるというメッセージを伝えています。

登場キャラクター

• - トッド：好奇心旺盛な子ギツネ。母を殺された孤児で、コッパーと親友に。
• - コッパー：トッドの親友で、猟師の猟犬。友情と忠誠心の間で葛藤するキャラクター。
• - ビッグ・ママ：森のミミズクで、トッドを見守り育てる役割を担う。
• - トゥイード夫人：トッドの育ての親で、彼を森に逃がす。
• - エイモス・スレイド：トッドの命を狙う粗野な猟師。
• - ビクシー：トッドが森で出会うメスギツネで、彼の恋人となる。
• - チーフ：コッパーの師で、彼の実力をなかなか認めない、昔かたぎの猟犬。

サウンドトラックとホームビデオ

この作品の音楽も高く評価されており、主にパール・ベイリーが歌う「Best of Friends」などが収録されています。DVDやVHSとしてもリリースが行われ、2006年には25周年を記念した特別版が登場しました。デジタルリマスターが施されており、特典映像も豊富です。

『きつねと猟犬』は、ディズニーのアニメーションの中でも特に心に残る作品の一つであり、時代を超えて多くの人々に愛されています。

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