くちびるから散弾銃

くちびるから散弾銃

『くちびるから散弾銃』は、漫画家・岡崎京子による日本の漫画作品です。

概要

1987年から1990年にかけて、講談社の女性漫画雑誌『Me Twin』で連載されました。青年誌や一般誌で活動していた岡崎京子にとって、初の女性誌連載作品です。

物語らしい筋はなく、東京に住む23歳の女性3人組（サカエ、なっちゃん、ミヤちゃん）の会話劇が中心に描かれています。彼女たちの軽妙なトークを通じて、1980年代末期のバブル景気における流行や社会情勢が鮮やかに切り取られています。作品全体は、3人組を媒介としたエッセイのような構成となっています。

後年発表された『東京ガールズブラボー』は、本作の主人公たちの高校時代を描いたスピンオフ作品です。

登場人物

金田サカエ / サカエ:
雑貨屋でアルバイトをしている女性。抜群のスタイルを持つ美人ですが、処女です。物欲が強く、稼いだお金を海外旅行や洋服につぎ込んでしまうため、いつも金欠状態。風呂なしアパートで一人暮らしをしています。物語の冒頭では、わがままな妄想や願望を爆発させることが多いのが特徴です。実家は北海道で、両親は離婚後に復縁。理想の結婚相手は、仮面ノリダーから始まり、光GENJIの赤坂晃、ジョン・ローンと変遷し、後に『バタアシ金魚』のカオルへと頻繁に変わります。高校時代の憧れの人物は、ルパン三世、『未来少年コナン』のコナン、バカボンのパパ。美大卒で漫画好き、血液型はB型。スタイリストの兼田サカエがモデル。

島野夏美 / なっちゃん:
デパートで働く女性。サザエさんのような家庭環境で、実家暮らし。大学生の彼氏がいます。3人の中では一番堅実で、貯金もしています。ラブリーな美意識を持つ童顔のため、小学生によく間違われます。ロリータファッションが好きで、高校時代には大島弓子風のスタイルをしていたというエピソードも。血液型はO型。モデルは島崎夏美。

高田美夜子 / ミヤちゃん:
雑誌編集者。母親と二人暮らし。3人の中で最も自立したキャリアウーマン。高校時代には、ポエムと漫画を組み合わせた同人誌を制作していました。血液型はA型。モデルは甲田益也子。

単行本

講談社MeワイドKCとして、正・続の全2巻が発行されました。その後、合冊で再刊されています。再刊の際には、本編から1話が削除され、31歳になった3人を描いた後日談と巻末エッセイが書き下ろされました。また、『東京ガールズブラボー』との整合性を図るため、一部セリフが変更されています。

くちびるから散弾銃（1989年・講談社MeワイドKC）
くちびるから散弾銃2（1990年・講談社MeワイドKC）
くちびるから散弾銃（1996年・講談社KCDX、合本）

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