こどものこわい話

こどものこわい話

「こどものこわい話」は、主に1990年代後半にバンダイビジュアルよりリリースされたオリジナルビデオ作品シリーズです。怪談や都市伝説を題材としており、子供たちを主な視聴者層として想定して制作されました。本シリーズの制作を手掛けたのは小椋事務所であり、同社は過去にバイオレンス描写で話題となった『ギニーピッグ』シリーズの制作にも関わっていたことで知られています。

シリーズの特色

本シリーズを特徴づける要素の一つに、物語の案内役として登場するナビゲーターの存在があります。多くの場合、黒いスカーフ、あるいは赤いスカーフを巻いた男性が登場し、アコースティックギターを演奏しながら、これから始まる恐怖の物語を語り始めます。このナビゲーターが姿を見せる場所は、それぞれの怪談の舞台設定に合わせて変化するのがユニークな点です。時には薄暗い墓地で、またある時は人気のいない真夜中の公園で、独特の雰囲気の中で物語の導入を行います。この演出が、視聴者である子供たちに強烈な印象と、現実と物語の境界が曖昧になるような感覚を与えました。

シリーズに登場する主要な出演者は、子供たちです。彼らが主人公やその友人として、身の回りで起こる不可思議な現象や恐ろしい出来事に巻き込まれていく様子が描かれます。そして、このシリーズのもう一つの大きな特色として、出演している子供たちのセリフが、すべてプロの声優による吹き替えによって表現されている点が挙げられます。これにより、作品全体に漂う独特の雰囲気が一層際立ち、子供の素朴な演技と声優による感情豊かな（あるいは感情を抑えた不気味な）セリフ回しが組み合わされることで、独自のホラー演出が確立されています。

各巻の収録内容

シリーズは複数巻にわたって発売され、それぞれに異なる怪談がオムニバス形式で収められています。

『こどものこわい話』（1997年版）

1997年6月25日に発売された、シリーズ最初の巻です。声の出演として野沢雅子氏などが参加しています。以下の4つのエピソードが収録されています。

野生の王国
三面鏡の恐怖
ウソついたらどうなる?
眠れない夜

『こどものこわい話』（タイトル・発売時期不明）

詳細なタイトルや正確な発売時期は不明ですが、初期にリリースされたと推測される巻です。以下の4つのエピソードが収録されています。

怪奇冷蔵庫
不思議ドライブ
のぞきからくり
リモコン大作戦

『こどものこわい話(3)「こたつブラックホール」~ばっちしVシリーズ』（1998年版）

1998年6月25日に発売されたシリーズ第3巻です。収録時間は約30分で、声の出演は野沢雅子氏。以下の4つのエピソードが収められています。

大怪獣バブー
こたつブラックホール
真夏のサンタ
悪魔の洞窟

『こどものこわい話(4)「トイレ大爆発」~ばっちしVシリーズ』（1998年版）

第3巻と同日の1998年6月25日に発売された第4巻です。こちらも収録時間は約30分で、声の出演は野沢雅子氏。以下のエピソードが収録されています。

トイレ大爆発
地獄でんわ

『こどものこわい話’99~お墓ひとりぼっち~』（1999年版）

1999年6月25日に発売された巻で、この巻から収録時間が約70分と長尺になっています。声の出演は野沢雅子氏と三木眞一郎氏が担当しました。以下の4つのエピソードが収録されています。

次元の裂け目
南部十四年式
髑髏町道草ばなし
お墓ひとりぼっち

『こどものこわい話 2000』（2000年版）

2000年に発売された巻です。以下の4つのエピソードが収録されています。

もどってくる人形
暗黒学級裁判
お客さま
ドカンババア

これらの作品を通じて、「こどものこわい話」シリーズは、子供たちが日常で遭遇するかもしれない不思議な出来事や、学校、家、公園といった身近な場所を舞台にした怪談を描き、多くの視聴者に恐怖と想像力を提供しました。ナビゲーターや吹き替えといった独自の演出手法を用いることで、子供向けホラービデオというジャンルにおいて、異彩を放つシリーズとなりました。

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