このマンガがすごい!

「このマンガがすごい！」の概要

『このマンガがすごい！』は、宝島社が発行するマンガの紹介を目的とした年次ムックです。このシリーズは、1996年に始まり、以降毎年12月に刊行されています。最初は「別冊宝島」シリーズの一環としてスタートし、その後独立したムックとして進化を遂げました。また、「この映画がすごい！」の初代編集長、天野由衣子が中心となり、伊熊恒介と共に編集を始めました。以降、各年度のマンガ作品を対象に、アンケートを通じて選定されたランキングが発表されています。

アンケートと選定プロセス

本ムックの最大の特徴は、多様なバックグラウンドを持つ約70人から200人が参加するアンケートです。参加者は、前年の10月から発行年の9月にかけて発売されたマンガから、お薦めの5作品を選びます。この選定は、1位に10点、2位に9点というように点数化されて行われます。ただし、小中学生やマンガ系専門学校生の意見は、集計方法が異なるため、全体的に低いスコアとして反映されます。選ばれた作品は、コメントと共に誌面に掲載されます。

内容構成と掲載作品

『このマンガがすごい！』では、選ばれた作品の詳細なレビューが行われ、特にトップ20の作品には作中のカットが添付されます。さらに、総評や漫画家インタビュー、注目すべきマンガの紹介なども含まれています。初年度は分けられていたオトコ版とオンナ版ですが、2008年からは1冊にまとめられるようになりました。また、漫画家インタビューをメインにした別冊も発行されています。

受賞制度と影響力

2009年に設立された「このマンガがすごい！大賞」は、『このミステリーがすごい！』や日本ラブストーリー大賞などと並ぶ、宝島社の4大大賞の一つです。このことにより、受賞作品は市場での注目を集め販売部数の増加に繋がります。実際に、受賞作が増刷されることも少なくなく、特に人気の作品は、受賞後に大規模なプロモーションを行うことが一般的です。

メディア展開と今後

2014年には「このマンガがすごい！WEB」と題したマンガ情報サイトも立ち上がり、リアルタイムでの情報発信が行われるようになりました。ここでは、日々のマンガレビューや漫画家インタビューが掲載されており、従来のムックの枠を超えた活動が行われています。このサイトにより、迅速な情報共有が可能となり、漫画業界全般の活性化が期待されています。

選定における課題とその克服

選定方法には明確なメリットとデメリットが存在します。オトコ版、オンナ版と分けることによる票の分散や、人気作がランキングを占めやすいことなどが課題として挙げられています。ただし、これによりより多様な作品が取り上げられる利点もあるため、今後どのように改善されていくかが注目されます。 編集部はこれらの意見を取り入れ、さらなる魅力的な作品紹介を目指しています。

『このマンガがすごい！』は、単なるランキングムックに留まらず、マンガ界全体のカルチャーを知るための重要な媒体であり続けています。

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