この世で一番愛するもの

『ワンス・アポン・ア・タイム』シーズン1 第2話「この世で一番愛するもの」：詳細解説

アメリカのファンタジーTVドラマ『ワンス・アポン・ア・タイム』の第2話「この世で一番愛するもの」(The Thing You Love Most)は、メイン州の架空の街、ストーリーブルックを舞台に、おとぎ話の登場人物たちが強力な呪いによって現代世界に閉じ込められた物語を描いています。このエピソードでは、レジーナ・ミルズ（ラナ・パリラ）によるエマ・スワン（ジェニファー・モリソン）追放工作とその裏に隠された魔法の森での出来事が中心となっています。

ストーリーブルックでの出来事

レジーナは、おとぎ話の物語が書かれた本の最後のページがなくなっていることに気づき、養子であるヘンリー（ジャレッド・S・ギルモア）に問いただします。エマがヘンリーを連れ去ろうとしていると疑ったレジーナは、エマに街を去るよう圧力をかけます。しかし、地元新聞記者のシドニー・グラス（ジャンカルロ・エスポジート）はエマの過去にあまり関心を示しません。

ヘンリーはエマに、呪いを解くための「コブラ作戦」と呼ばれる計画を説明します。それは、ストーリーブルックの住民と、彼らが本来の姿であるおとぎ話の登場人物を結びつけることから始まります。ヘンリーはエマが白雪姫とチャーミング王子（ジョシュ・ダラス）の娘であると主張しますが、エマは半信半疑です。

ヘンリーを心配したエマは、セラピストのアーチー・ホッパー（ラファエル・スバージ）を訪ねますが、アーチーの策略によって逮捕されてしまいます。レジーナはエマとヘンリーを引き裂こうとしますが、エマはレジーナのお気に入りのリンゴの木をチェーンソーで切り倒すことで反撃します。

その後、エマはグラニー（ビヴァリー・エリオット）の宿を追い出され、レジーナとの話し合いを持ちますが、ヘンリーに対するそれぞれの思いが衝突します。ヘンリーは二人の争いを目の当たりにしてショックを受け、走り去ってしまいます。レジーナはヘンリーが帰ってくるタイミングを正確に知っていたという、不穏な描写も含まれています。エマはレジーナに呪いを信じさせまいとする策略を明かします。

ミスター・ゴールド（ロバート・カーライル）はレジーナにエマ追い出しの協力を申し出ますが、レジーナはゴールドの力を借りることを拒否します。ゴールドは、ヘンリーがレジーナに養子として迎え入れられる際に協力しており、レジーナの過去やヘンリーの名前の由来について探ろうとしますが、レジーナは答えません。そして、ゴールドの行動から、レジーナが魔法の森での過去に何らかの記憶を持っているのではないかと示唆されます。

魔法の森での出来事：呪いの真実

物語は過去へと移り、白雪姫とチャーミング王子の結婚式で、悪い女王（レジーナ）が恐ろしい呪いをかけると宣言するシーンから始まります。女王は呪いをかけた魔女マレフィセント（クリスティン・バウアー・ヴァン・ストラテン）と対峙し、呪いの書を奪います。マレフィセントを生かしたままにするという、女王の意外な一面も見られます。

女王は悪党たちを集め、呪いを実行しようとしますが失敗します。呪いの成功には、この世で最も愛する者の心臓が必要だとルンペルシュティルツキン（ロバート・カーライル）から告げられます。女王は自身の最も愛する存在を白雪姫のせいで失ったと主張しますが、ルンペルシュティルツキンは、彼女には他に愛する者があると告げ、白雪姫とチャーミング王子の子供こそが、いつか女王の呪いを解く存在となると予言します。

女王は、最も愛する存在は実の父親であることを悟り、彼の心臓を使って呪いを完成させます。呪いが成功した後、女王は父の墓に黒いバラを供えます。墓石には「ヘンリー、愛する父」と刻まれています。

製作と評価

このエピソードは、シリーズの共同制作者であるエドワード・キッツィスとアダム・ホロウィッツが脚本を書き、グレッグ・ビーマンが監督を務めました。ラナ・パリラはインタビューで、レジーナの弱い面や、白雪姫への憎しみの根源が描かれると語っています。また、レジーナがヘンリーを本当の子供として愛しているという複雑な心情も明かしています。

クリスティン・バウアー・ヴァン・ストラテンは、土壇場でマレフィセント役にキャスティングされました。このエピソードでは、バンクーバーの小さな音楽ステージが撮影場所として使用され、時間停止の街を再現するために古い骨董品などが用いられました。

放送後、このエピソードは1164万人の視聴者を獲得し、18～49歳層の視聴率は3.9ポイントでした。批評家からは、好意的な評価と批判的な評価が混在していました。IGNのエイミー・ラトクリフは7.5点の評価を与え、特殊効果やストーリー展開を高く評価しつつも、全体としては印象に残らないと述べています。一方、他の批評家からは、レジーナとエマの対決やクリスティン・バウアー・ヴァン・ストラテンの演技などが称賛されました。

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