この世の外へ クラブ進駐軍

映画『この世の外へ クラブ進駐軍』の概要

『この世の外へ クラブ進駐軍』は、2004年に公開され、日本の映画監督・脚本家である阪本順治が手掛けた作品です。この映画は、戦後の日本を舞台に、音楽を通じて人々がつながる姿を描いています。

映画のあらすじ

物語は、1947年の敗戦直後の日本が背景です。主人公、広岡健太郎は楽器店の息子で、軍楽隊のサックス奏者として活動していました。彼は、仲間たちと共にジャズバンド「ラッキーストライカーズ」を結成し、進駐軍用のクラブ「EMクラブ」で演奏することを決意します。このバンドのメンバーには、先輩のジョーさん、ブラスバンド出身のピアニスト大野、カントリーバンドでトランペットを担当していた浅川、ドラム未経験の池島が含まれており、彼らは高額なギャラを夢見て活動を開始しました。

新たに基地に送り込まれたラッセル・リードは、レイテ沖海戦で弟を失い、日本人に対する憎しみを抱えていました。また、テナーサックス奏者としても名を馳せていましたが、ラッキーストライカーズの無名ぶりにも苛立ちを覚えていました。しかし、彼らの演奏に懸命に取り組む姿勢を見つめるうちに、徐々に彼の心が和らいでいきます。

バンドが成長する中、メンバーそれぞれの個人的な問題も明らかになり、ついにはピアニストの大野が他のバンドに引き抜かれる事態に直面します。この出来事がきっかけで、バンドは解散を余儀なくされました。

数年後、トランペットの広行がヒロポン中毒で亡くなったことを機に、メンバーたちは再結成を決意し、再びEMクラブで演奏を始めることとなります。しかし、朝鮮戦争が勃発し、ラッセルを含む多くの兵士たちが戦地に送られていきます。本作では、壮行会でラッセルが作曲した曲『Out of This World』が演奏される場面も描かれています。

キャスト

映画には多様なキャストが出演しています。主人公・健太郎役は萩原聖人が務め、池島役はオダギリジョー、浅川役はMITCHが演じています。また、ラッセル役にはシェー・ウィガム、EMクラブのマネージャー役にはピーター・マランが出演し、それぞれの人間ドラマが展開されます。

音楽とレパートリー

ラッキーストライカーズによる演奏レパートリーは多岐にわたります。「ALL THE THINGS YOU ARE」や「MONA LISA」といったクラシックのジャズスタンダードから、オリジナル曲の『Out of This World』も含まれています。音楽がもたらす感動やドラマは、この映画の重要な要素となっています。

この映画は、音楽が人々をつなげ、癒やす力を持っていることを描いた心温まる作品であり、戦後の混沌とした時代に希望を見出すメッセージが込められています。

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