こまつ座

こまつ座について

こまつ座（こまつざ）は、日本の演劇界において独自の地位を確立している劇団です。1983年に設立され、以降は井上ひさしの戯曲のみを専攻して公演を行っています。劇団の活動は、聴衆に深い感動や刺激をもたらすことに重きを置き、毎回新たな演出とキャストで作品を披露しています。

創立と初演

こまつ座は1983年に創立され、翌1984年には最初の公演として『頭痛肩こり樋口一葉』を上演しました。この作品を皮切りに、劇団は『きらめく星座』『花よりタンゴ』『小林一茶』など、井上ひさしの多彩な作品を次々と舞台に乗せています。また、公演に関する情報を提供するために劇場用パンフレット『the座』を発行し、井上の前口上や後口上、シナリオなど、観客が楽しむべき内容を掲載しています。

劇団の運営

劇団の運営は、井上の長女や三女によって引き継がれています。井上ひさしが2009年にがんと診断されて以降、三女である井上（石川）麻矢が代表として劇団を引っ張る役割を担っています。設立当初の座長は井上の妻である好子だったため、劇団には家族の絆が色濃く残されています。

公演の特徴

この劇団のスタイルとして、公演のたびに外部から演出家やキャストを招く方法が採られています。これにより、劇団員は約10名と限られた人数ですが、それが逆に新鮮な風を取り入れる要因となっています。公演のほとんどは紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで行われ、多くの観客に親しまれる劇場となっています。

受賞歴と困難

こまつ座はその実力を証明する形で、2008年には『闇に咲く花』にて第8回バッカーズ演劇奨励賞を受賞しました。しかし、2010年4月には井上ひさしが亡くなり、その影響が劇団にも大きく影を落としました。井上の秘書役だった社員の過労死や労災認定など、困難な状況が劇団を襲いました。

新たな挑戦

2013年には、井上ひさしが生前に描いていた公演の構想を元に、蓬莱竜太が脚本を手掛けた『木の上の軍隊』が初演されました。この作品は、井上がこまつ座での上演を希望していたメモを基にしていて、2016年には第115回公演として実現しました。その後、2019年には第127回公演として全国6都市で再演されています。

おわりに

こまつ座は、その独特な運営形態と井上ひさしの作品への深い敬愛心により、日本の演劇界において重要な役割を果たしています。今後の公演にも多くの期待が寄せられており、さらなる発展が待たれる劇団です。

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