これは経費で落ちません!

これは経費で落ちません！

『これは経費で落ちません！』は、青木祐子作のライト文芸シリーズで、イラストはukiが手がけています。2016年5月に出版された本作は、日本の社会や経理業務を舞台にした独特の視点から、多くの読者の心をつかみ、2020年5月には累計発行部数が100万部を超える大ヒットとなりました。この作品は、森若沙名子という27歳のOLを主人公に、彼女が経理部での仕事を通じて遭遇する社内の疑問や人間関係のトラブルを解決してゆく様子を描いています。

あらすじ

物語の主な舞台は中堅の石鹸会社「天天コーポレーション」。森若沙名子は経理部で働く一人であり、自身の仕事に対する高いポリシーを持ち、経理関連の複雑な業務を淡々とこなしています。彼女は、部門間で持ち込まれる領収書をもとに、社内の不正や人間関係の問題を見抜き、解決への道を探ります。経理部は一見地味な部署ですが、森若はその中で着実に問題解決能力を磨いていきます。

森若は「イーブン」を信条に持ち、その姿勢は周囲からも評価されています。しかし同時に、プライベートでは社内の人間関係に距離を置くことを好み、同期の鏡美月以外との深い交流を持つことはありませんでした。ところが、そんな彼女の生活に年下の営業部員・山田太陽が介入します。彼は明るく能天気な性格で、森若に積極的にアプローチをし始め、彼女のマイペースな生活が徐々に変わっていく様子が描かれています。

登場人物

森若 沙名子

経理部の頼れるエースで、業務の正確さで周囲を驚かせる才能を持っています。ルールに厳格で、経費処理の必要性について常に冷静な判断を下します。

山田 太陽

営業部の新星で、会社の新しい企画に情熱を注いでいます。森若に一目惚れし、徐々に彼女に接近していきます。

其他のキャラクター

経理部には、先輩の田倉勇太郎、後輩の佐々木真夕をはじめ、多様な個性を持つメンバーがそろっています。営業部や広報部、総務部など、さまざまな部門の社員との絡みも物語の重要な要素です。

メディア展開

本作は、森こさちによる漫画化が行われ、2017年から雑誌『Cookie』で連載されています。また、2019年にはNHKでテレビドラマ化され、多部未華子が主演を務めたことでも話題になりました。ドラマは放送されると好評を得たものの、続編の制作はさまざまな事情により中止となりました。

このように、『これは経費で落ちません！』は、職場の人間関係や経理部の日常をリアルに描いた作品として、読む人々の共感を呼び続けています。恋愛と仕事のバランスに悩むOLの姿は、現代のビジネスマンたちにも響く内容となっています。

もう一度検索