こんにちはマイコン

『こんにちはマイコン』概説

『こんにちはマイコン』は、日本の漫画家すがやみつるが手がけた学習漫画で、当時のコンピュータの歴史や仕組みをテーマにしています。この作品は、1982年に小学館漫画賞の児童部門を受賞し、その後も続編や改訂版が登場しました。

作品の概要

本作では、人気漫画『ゲームセンターあらし』のキャラクターたちが登場し、PC-6001を基にしたBASICプログラミングについて学びます。全2巻からなり、マイコンとプログラミングに初めて触れる読者にとって非常に有益な内容となっています。この作品は、累計で約60万部に達するヒット作となりました。

すがやみつる自身は、1979年にマイコンを購入して以来、プログラミングに没頭するようになりました。仕事が多忙になる中で体調を崩した際、妻と母が彼のマイコンを隠しました。その状況を逆手に取り、コンピュータに関する知識を広める企画書を作成し、1982年の出版に至ったのです。

多様な読者に向けた内容

すがやは当初、子供向けの書籍でありながら、大人の読者も引き込む内容だと認識していました。このため、アンケート葉書には小学生から中年まで多様な年齢層からの反応が寄せられたと言います。また、街中で大人たちが本書を読んでいる姿を見かけることも多かったそうです。初版は4万部が発行され、その後の増刷や続編も決まりました。

受賞歴

『こんにちはマイコン』は、前年に同じくすがやが受賞を逃した小学館漫画賞において、内容が新しい学習漫画として評価され、ついに受賞を果たしました。この功績が評価され、小学館は作品の作者に海外取材の機会をプレゼントしました。すがやは、以前訪れたアメリカのロングビーチを選び、仕事に結びつける形でF1グランプリ観戦や、シリコンバレー見学などを行いました。

作品の構成と内容

『こんにちはマイコン』は以下のような章立てで構成されています。
1. こんにちは!マイコン
2. マイコンにさわってみよう
3. マイコンを使おう!
4. BASICに挑戦
5. プログラムができた!
6. 資料編

作品の中では、十年後の生活がマイコンによってどのように変わるかを予測した章もあり、在宅ワークやホームオートメーションなど、現実に実現されている予測も含まれています。

登場人物

• - あらし: 物語の主人公。マイコンの初心者で、他のキャラクターから学びます。
• - さとる: コンピュータに詳しい天才少年で、恵まれた教育者の役割を果たします。
• - 一平太: あらしと同様にマイコンを学ぶ側ですが、やや出番が少なく、少々コミカルな役どころです。

続編と改訂版

1983年には続編「こんにちはマイコン2」が発行され、初版時に付録としてフローチャート作成用のテンプレートが提供されました。また、時代に合わせて改訂版も複数登場しています。

まとめ

『こんにちはマイコン』は、コンピュータやプログラミングの基礎を楽しみながら学べる貴重な作品です。特に、当時を生きた多くの人々にとって、知識の入口として大いに役立ったことでしょう。今後、プログラミング教育の重要性が高まる中で再評価されること間違いなしです。

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