さいきまこ

さいきまこ：社会派漫画家、貧困と再生を描く

さいきまこ（1961年 - ）は、現代社会のひずみに光を当て、生活保護や子どもの貧困といったテーマを深く掘り下げる漫画家です。東京都出身で、武蔵野美術大学を卒業後、デザイン事務所や出版社での仕事を経て、漫画家としての道を歩み始めました。

デビューのきっかけと転換

結婚を機に退職後、夫の収入が不安定だったことから、育児エッセイの執筆とイラストの仕事を始めます。その後、集英社の「YOU」に投稿した作品が入選し、38歳で漫画家デビューを果たしました。発達障害への関心をきっかけに、秋田書店の「フォアミセス」で社会派の作品を手がけるようになります。

社会問題への眼差し

40歳で離婚し、シングルマザーとなったさいきまこは、生活保護に関心を抱き、その実情を描いた『陽のあたる家』を「フォアミセス」に発表。この作品は、反貧困ネットワークによる「貧困ジャーナリズム大賞」特別賞を受賞し、彼女の社会派漫画家としての地位を確立しました。その後も、『神様の背中』、『家族の約束』など、子どもの貧困や介護、高齢ニートといった現代社会が抱える問題をテーマにした作品を発表し続けています。

作品の特徴

さいきまこの作品は、20代から40代の親たちが、様々な問題によって生活が破綻していく姿、そして、親の貧困によって翻弄される子どもたちの姿をリアルに描いています。彼女の作品は、社会の片隅で生きる人々の苦しみや葛藤を鮮やかに描き出し、読者に深い共感と問題意識を喚起します。

多岐にわたる活動

雑誌連載漫画の他、社会書でのイラストや、貧困問題に関する講演など、幅広い活動を展開しています。2017年には、生活保護問題対策全国会議の設立10周年記念誌の執筆にも携わるなど、社会問題の解決に向けて積極的に貢献しています。

主な作品

陽のあたる家〜生活保護に支えられて〜（2013年、フォアミセス）
神様の背中〜貧困の中の子どもたち〜（2014年 - 2015年、フォアミセス）
家族の約束〜あなたを支えたい〜（2017年、フォアミセス）※単行本では『助け合いたい〜老後破綻の親、過労死ラインの子〜』 と改題
光の咲く日（2017年、フォアミセス）
言えないことをしたのは誰?（2019年 -、ハツキス）

さいきまこは、これからも社会の不条理に挑み、人々の心に深く響く作品を生み出していくことでしょう。

外部リンク

さいき まこ (@saikimako) - X（旧Twitter）

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