さかいで塩まつり

さかいで塩まつり：塩と地域の歴史が織りなす、香川県坂出市の祭典

さかいで塩まつりは、香川県坂出市で毎年5月頃に開催される、地域を代表する一大イベントです。2022年には31回目を迎え、2010年からは瀬戸大橋記念公園を会場に開催され、5万5千人を超える来場者数を誇る、同市最大の祭りとして発展を遂げています。

塩への感謝と久米通賢の精神

このまつりは、塩への感謝と、坂出市の偉人である久米通賢の精神を継承することを目的としています。久米通賢は私財を投じて地域貢献に尽力し、塩田開発に大きく貢献した人物です。彼が生涯を閉じた5月を期に開催されるこのまつりは、その偉業と志を後世に伝える場となっています。

祭りでは、実際に灌水を煮詰めて塩を作る体験イベントも実施され、出来上がった塩は塩竃神社に奉納されます。塩づくりで発展してきた坂出の歴史を背景に、塩への理解を深め、感謝の思いを育むことを目的としています。

新たな試みとコロナ禍

2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により、初めての中止を余儀なくされました。2021年は、新たな試みとしてリアルとデジタルを融合した開催方法を採用し、会場を分散することで感染症対策を徹底しました。

歴史と変遷

さかいで塩まつりは、瀬戸大橋開通を機に、従来の「さかいで商工みなとまつり」が「瀬戸大橋まつり」へと移行したことを背景に、坂出市制50周年と坂出青年会議所35周年を記念して1992年に始まりました。当初は瀬戸大橋記念公園で開催されていましたが、2010年からは地域振興を目的として会場と日程を見直し、地域団体との協働による運営へと転換しました。

多彩なイベント

毎年、様々なイベントが開催されています。過去には、18トンもの塩を使った巨大な塩滑り台（近年はNEXCOに譲渡）、塩づくり体験、おむすびの振る舞い（塩のみの味付け）、久米流砲術隊による火縄銃の実演、アクロバット飛行ショーなどが人気を集めました。

近年は、スポーツクライミング、防災クエスト、忍者風水陸両用アトラクション、塩合戦、ギネス世界記録挑戦（同時におむすびをむすぶ人数）など、子供から大人まで楽しめる企画が展開されています。その他にも、塩を使ったアート作品展示や、地元グルメが集まる屋台村なども定番となっています。

実行委員会と関係団体

さかいで塩まつりは、公益社団法人坂出青年会議所を中心に、坂出商工会議所青年部、香川大学ローターアクトクラブ、地元住民団体、企業など多くの関係団体が協力して開催されています。

受賞歴

2013年にはふるさとイベント大賞奨励賞を受賞。2015年には「同時におむすびをむすぶ人数」の世界記録を達成するなど、その取り組みは広く認められています。

未来への展望

さかいで塩まつりは、地域の歴史と文化を次世代へと継承し、地域社会の活性化に貢献する重要な役割を担っています。これからも、地域住民の協働によって、創意工夫を凝らしたイベントを開催し、多くの人々を魅了していくことでしょう。

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