さくら (人工衛星)

さくら通信衛星の概要

「さくら」（英語名: Communications Satellite、CS）は、日本の宇宙開発事業団（NASDA）、現在の宇宙航空研究開発機構（JAXA）によって開発された実験用中容量静止通信衛星です。この衛星は、主に衛星通信システムに関する伝送実験や運用技術の確立、さらには衛星通信管制技術の確立を目的としていました。

開発の経緯

開発の前段階は1971年頃から始まりました。1972年9月には郵政省が宇宙開発委員会へ正式な要望を提出。その後、1973年度から開発研究がスタートし、1976年に打ち上げが決定されました。しかし、1973年の宇宙開発計画見直しにより、打ち上げは1977年に変更されることとなります。郵政省は1973年にコンセプトや予備設計の成果をまとめ、同年11月には宇宙開発事業団に開発を引き継ぎました。また、日本電信電話公社の支援の元、衛星搭載用中継器のエンジニアリングモデル（EM）が1974年に宇宙開発事業団に正式に引き継がれました。

その後、宇宙開発事業団では引き継いだ成果を元に開発を進め、基本設計や詳細設計を行いました。プロトフライトモデル（PFM）は1977年3月に完成し、フライトモデル（FM）は同年5月に完成しました。

打ち上げと運用

1977年12月15日、さくらはケネディ宇宙センターからデルタ2914型ロケットの137号機によって打ち上げられました。打ち上げ後の12月24日には、東経135度の静止軌道に位置づけられました。1978年5月15日には、定常運用に移行し、1981年5月15日までの間、主な運用機関である郵政省のもとで各種通信実験が行われました。

その後、1983年9月16日には後期利用段階に移行し、さくら2号bとの電波干渉を避けるために東経150度の軌道に移動しました。1985年11月25日には後期利用段階が終了し、静止軌道外へと移動。こうして約8年間にわたる運用を終えました。

関連項目

さくらは宇宙開発における重要な成果であり、他の衛星や宇宙プロジェクトと密接に関連しています。関連する衛星には、さくら2号a、さくら2号b、さくら3号a、さくら3号bなどがあります。さらに、宇宙開発事業団、日本電信電話といった機関もさくらの開発と運用に重要な役割を果たしました。

外部リンク

• - 実験用静止通信衛星「さくら(CS)」(JAXA)
• - 宇宙情報センター：さくら（JAXA）

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