さしま茶

さしま茶

さしま茶は、茨城県南西部を中心に生産されている日本茶です。猿島台地という茶の生産地としては比較的北に位置する場所で栽培されています。

歴史

さしま茶の歴史は江戸時代初期に遡ります。1611年の茶検地帳に栽培の記述が確認されており、太平の世になった江戸時代に喫茶の習慣が広がるにつれて、猿島郡付近で自然発生的に茶の生産が始まったと考えられています。関宿藩も茶の栽培を奨励しましたが、茶の年貢は他の作物よりも高かったようです。

2009年に「さしま茶協会」が設立され、名称が「さしま茶」に統一されました。

特徴

猿島台地は火山灰性の洪積台地で、夏は暑く、冬は冷え込む気候です。肥沃な土壌で育つ茶葉は厚みがあり、濃厚な味と香りが特徴です。そのため、蒸し時間を長くする深蒸し茶が主流となっています。

栽培面積は106ha、茶葉生産量は649t、荒茶生産量は138tとなっています（2008年時点）。主な生産地は、猿島郡境町、古河市、坂東市、常総市、結城郡八千代町です。

製法

現在では深蒸し製法が主流で、生産者が茶樹の栽培から加工・販売までを一貫して行っています。深蒸し製法は、茶葉を蒸す時間を長くすることで、甘みが強くまろやかな味に仕上がります。

また、若手を中心に「さしま茶手揉み保存会」が組織され、伝統的な手揉み製法も継承されています。2011年には全国手揉み製茶技術競技大会で優勝しました。

新たな展開

近年では、さしま茶協会がペットボトル飲料を開発し、一番茶のみを使用した製品を販売しています。ラベルには「さしま茶史」が記されています。

関連人物

中山元成: 1859年にさしま茶を日本茶として初めて輸出に成功させた人物です。
野村佐平治: さしま茶の生産向上に貢献した人物です。

関連情報

さしま茶協会ホームページ
境町ホームページ - さしま茶
* 坂東市ホームページ - さしま茶

さしま茶は、その豊かな風味と歴史を通じて、茨城県の地域文化を伝える貴重な存在です。

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