さすらいのカウボーイ

さすらいのカウボーイの概要

『さすらいのカウボーイ』（英: The Hired Hand）は、1971年に公開されたアメリカの西部劇です。監督を務めたのはピーター・フォンダで、脚本はアラン・シャープが担当しました。主なキャストにはフォンダ自身を含むウォーレン・オーツ、ヴァーナ・ブルームが名を連ねており、映像はヴィルモス・スィグモンドの手によるものです。

この映画は当初、観客や批評家から厳しい評価を受け、興行的にも失敗に終わりました。しかし、1973年にNBCで放送された拡大版でも注目を浴びることはありませんでした。それでも、2001年にフルバージョンが復元され、さまざまな映画祭で上映されることで、次第に批評家たちから高い評価を受けるようになりました。後に、サンダース・チャンネルからのDVD発売によって、現代では古典的な西部劇として再評価されています。

あらすじ

物語は、ハリー・コリングスとアーチ・ハリスという2人の流れ者が7年間アメリカ南西部をさまよった後、デル・ノルテという町に辿り着くところから始まります。辺境の小さな町では、悪党マクベイの一味が権力を握っていました。コリングスが数年前に離れた妻の元へ戻る決意を固めたことで、仲間たちは驚きます。彼らは本来、カリフォルニアで仕事を探すつもりだったのですが、コリングスの決意が変わったのです。

コリングスの決断を受け、ハリスともう一人の仲間グリフェンは、彼を見送ることにします。しかし、町の悪党によって無惨にもグリフェンが命を奪われてしまうと、コリングスとハリスは逃げることを余儀なくされます。暗くなった夜、彼らは町に戻り、コリングスはマクベイに復讐を果たすために彼を撃ち、重傷を負わせます。

数百マイル離れた旧家に戻ったコリングスは、妻ハンナから冷たくあしらわれます。彼はハンナの元で「雇われ者」として働くことを申し出、彼女も受け入れます。長い間の不在を経て、二人の間の緊張感は徐々に解け、関係は再び良好になっていきます。しかし、ハリスが「海が見たい」と言って去ってしまい、コリングスは再び孤独に直面します。

その時、マクベイと彼の一味がコリングスの生活に再び介入してきます。彼らはハリスを誘拐し、コリングスは再びハンナを離れて友人を救うために立ち上がります。壮絶な銃撃戦の末、悪党たちは全員が倒れ、コリングスも致命的な傷を負います。ハリスは一人、馬でハンナの元へと急ぎます。

まとめ

『さすらいのカウボーイ』は、再び結びつくことを望む夫婦の葛藤や、友情の重さを描いた作品です。当初の失敗が後に評価されることで、映画の持つメッセージや情感が再確認される例となりました。時を経てその価値が認識されたこの映画は、視覚的にも内容的にも多くの観客の心を打つものとなっています。

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