さすらいの少女ネル

さすらいの少女ネルについて

『さすらいの少女ネル』は、1979年から1980年にかけて放送されたテレビアニメシリーズで、東京12チャンネル（現・テレビ東京）の「キリン名曲ロマン劇場」の最終作となります。本作は全26話で構成され、初回放送は1979年10月25日から開始されました。アニメの基となる原作は、19世紀のイギリスの著名な文豪チャールズ・ディケンズの小説『骨董屋』です。日本では、児童向けに翻訳された『少女ネルの死』として知られています。

あらすじ

本作は、19世紀初めのロンドンを舞台に、骨董店を営む老人トレントとその孫娘ネルの苦難の旅を描いています。トレントは、金貸しのキルプから借金をし期限までに返済できなかったため、ネルと共に逃亡を決意します。彼らは、亡き息子の妻であるローザ（ネルの母）や孫息子のマリオがかつて住んでいた家に逃げ込みますが、そこには誰もいないことがわかります。村人の話によれば、ローザたちは「パラダイスに行く」とのこと。トレントとネルは、その「パラダイス」を目指して旅を始めますが、すぐにキルプと彼に雇われた弁護士ブラスが彼らを追い詰めてきます。

逃避行は平凡ではなく、彼らは多くの困難に直面します。金貸しのキルプはトレントから店の明け渡しを求め、自らを追いかけています。一方ブラスは、ネルと結婚したいと考え、トレントたちを執拗に追いかけます。さらに、トレントの店で働いていた少年キットも謎めいた男と共にネルたちを追うことに。旅を続ける中で、ネルは母と兄と再会できることを心から楽しみにしていましたが、旅の終わりに待っていたのは衝撃の事実と様々な人間関係の綾でした。

登場人物

• - ネル: 本作の主人公で、強い意志を持つ少女。心優しく、旅行先で出会った人々に自作の人形を贈るなど、周囲とのつながりを大切にする。母を見つけるための手がかりを探しながら、旅を続けます。
• - トレント: ネルの祖父であり骨董商。亡き息子のことでローザに不満を抱き、金銭的困難を抱えた挙句、ネルと共に逃げることになります。その中で、娘を守るために疑心暗鬼に陥る様子も描かれています。
• - キット: トレントの店で働いていた少年で、ネルの友人。彼もネルと同様に旅をしており、様々な運命に翻弄されます。
• - キルプ: トレントを追い詰める悪質な高利貸し。ネルに目をつけ、資産の奪取や彼女を養女にしようと企んでいます。
• - ブラス: キルプの手下である弁護士。ネルに恋心を抱くも、彼女との結婚を狙って執拗に行動します。

スタッフ

制作には、監督や作画監督、音楽担当者など、様々な才能が集まり、視覚的にも聴覚的にも魅力的な作品が生み出されたことが注目されます。特に、音楽には民謡が用いられ、物語の雰囲気を盛り上げています。

最後に

『さすらいの少女ネル』は、友情や家族愛、逆境を乗り越える力などが描かれた物語です。アニメとしての魅力だけでなく、原作の深いテーマを感じさせる作品となっています。放送から数十年が経った今でも、多くの人々に愛され続けているその理由が、物語の普遍性にあると思われます。

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