さっぽろ芸術文化の館

さっぽろ芸術文化の館について

さっぽろ芸術文化の館はかつて札幌市中央区に存在した文化施設で、特に2,300席を有するホールが注目されていました。この施設は、1971年に「北海道厚生年金会館」として開館し、以来多くの文化イベントやコンサートの場として利用されてきました。

概要

1969年から建設が始まり、約40億円の総工費をかけて創られました。建物は、地下1階・地上8階の「クラブ棟」と、地下1階・地上6階の「ホール棟」の2つで構成されており、鉄筋コンクリート造りとなっています。「クラブ棟」には宿泊施設や会議室、「ホール棟」には大ホールがあり、様々な文化活動に応じた機能が盛り込まれていました。ホール内では音響設計にNHK技研が関わり、観客の視線をステージに集中させる工夫が施されました。外観デザインにも配慮され、周囲の緑と調和させる形で設計がなされています。

1972年には札幌オリンピックが開催され、IOC総会の会場や役員宿舎といった重要な役割を果たしました。以降、コンサートや舞台公演など多くのイベントが催され、北海道の芸術文化の発信拠点としての役割を担い続けました。

施設の変遷

2005年には、国の年金・健康保険制度改革の影響で、全国の厚生年金施設の売却が決まると、地元の音楽事業に携わる人々が「北海道厚生年金会館存続を願う会」を設立し、運営を存続させる活動を行いました。2006年には札幌市や商工会議所、北海道によって存続検討会議が設けられ、その後の2008年に札幌市が入札に参加し、施設の取得が決まりました。ここまでの活動が行われる中、2009年に施設名は「さっぽろ芸術文化の館」へと改称され、ニトリとネーミングライツ契約を結ぶことで愛称を「ニトリ文化ホール」としました。

残念ながら2018年9月30日をもって閉館し、その後、施設の解体が決定しました。閉館後のホール機能は、「札幌市民交流プラザ」に継承されることとなり、跡地は将来的には「仮称・札幌博物館」の建設候補地の一つとして考えられています。2020年3月に取り壊し作業が始まり、2022年には解体が完了しました。

施設詳細

さっぽろ芸術文化の館には、以下のような施設がありました。

• - ニトリ文化ホール：公演・コンサートが行える大ホール。オーケストラピットや多様な楽屋、応接室も完備。
• - ホテルさっぽろ芸文館：宿泊施設として多様な客室が用意され、会議室も完備。
• - 会議室：さまざまなサイズの会議室があり、ビジネス利用にも対応。
• - レストラン：訪れる人々に食事を提供する飲食スペースも設置されていました。

アクセス

この施設は、北海道道124号沿いに位置し、交通アクセスは便利でした。ジェイ・アール北海道バスや中央バスの路線があり、地下鉄東西線の西11丁目駅からも徒歩約5分で到着可能です。また、札幌駅から車で約5分という距離もあり、訪れやすい立地です。地下駐車場や第2駐車場も完備されていました。

関連項目

「さっぽろ芸術文化の館」は、その後の札幌の文化発展に大きく寄与した施設でした。ここで行われた多くの芸術活動は、今もなお多くの人々の記憶に残っています。

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