さらばバルデス

映画『さらばバルデス』の紹介

『さらばバルデス』（原題：Chino、伊題：Valdez, il mezzosangue）は、1973年にイタリアで公開された西部劇映画です。この作品は、異なる人種間の葛藤や愛、友情をテーマにしており、観る者に強い印象を与えます。

ストーリーの概要

物語は、少年ジェイミーが旅の途上で出会ったインディアンと白人の混血であるチノ・バルデスの家に宿泊するところから始まります。翌朝、二人は馬を売りに町へ出かけますが、チノはその見た目ゆえに町のカウボーイたちから受け入れられておらず、事態はすぐに険悪なものとなります。しかし、地主のマラルが仲裁に入ることで、一時的に事は収束します。

帰り道、チノはジェイミーに発つように勧めますが、ジェイミーは一緒にいることを願い、共に放牧を始めることになります。ある日、マラルが敷設した鉄線により、馬が傷を負ってしまいます。そのことに抗議しにいくと、チノは牧場へ来たマラルの妹キャサリンに出会います。開始当初は冷たく接するチノでしたが、二人は徐々にお互いに惹かれていくのです。

彼らの関係に気づいたマラルは、チノに対し、妹に近づくなと警告します。ジェイミーとチノは、チノの友人であるインディアンの酋長リトル・ベアを訪れ、その後町に戻ります。チノはキャサリンにプロポーズしますが、直後にマラルの部下が襲ってきます。教会で待っていたキャサリンは、マラルに強制的に連れ戻されてしまいます。

チノが教会に現れると、マラルが待ち構えており、チノは鞭で何度も打たれるという暴力的な場面が展開されます。ジェイミーは意識を失ったチノを連れ、リトル・ベアのもとに向かいます。意識を取り戻したチノは、二人で家へ帰ります。やがて外の馬の鳴き声に気付き、出てみるとマラルの部下によって仔馬が無惨に殺されているのを発見します。

チノは、さらにマラルたちが自らを狙って来ることに気づき、彼らとの戦いが始まります。敗北を喫しながらも、彼は自分の畜牧場の馬を逃がし、ついには町を去ることを決意します。マラルはその進行を阻止しようとしますが、チノは馬をジェイミーに託け、家に火を放ち、町を背に去っていきます。

キャストとスタッフ

この映画には、印象的なキャストと優れたスタッフが揃っています。監督はジョン・スタージェスで、製作はディノ・デ・ラウレンティス、ドゥイリオ・コレッティ、そしてスタージェス自身が担当しています。また、脚本もスタージェスが手掛け、リー・ホフマンの原作を基にしています。撮影にはアルマンド・ナンヌッツィが参加し、音楽はグイド・デ・アンジェリスとマウリツィオ・デ・アンジェリスによるものです。

この映画は、単なる西部劇の枠を超えた深い人間ドラマとして、多くの映画ファンに支持されています。観る者の心に残る作品となることでしょう。

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